騎士修道会の鎧
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人間は集団に紛れることで、どこまででも残酷になれるのだそうです。 厳しい戒律のもと、研鑽を積んだ徳のある騎士様型。 どのような狼藉を行えば、はるか東方で行われた形容しずらい暗い出来事が噂話になって、わたしの耳まで届くことになるのでしょう? 疑念は尽きません……。 【商品説明】 ======= メガミデバイスとは、ボディ以降の『腕/足/ヘッドパーツと共用』です。 付属しているボディパーツを通じて、着せ替え等をしていただく想定でデザインしております。 ======== ・服が脱がせます。 ・乳房はありますが、乳首はありません。 大事なことなので、二回言います。『乳首』は『ありません』 ・送付物は10枚目になります。 ・画像の状態にするには別途『メガミデバイス』が必要です。本商品のみでは完成しません。 ・レジンで出来ているようです。 ・レジンを着色して、色味をだしています。 着色する都合上、印刷ロット毎に、多少のばらつきが発生します。 ・塗装はしていません。 ・未塗装でも映えます。ちょっと色を塗ると、もっと映えます。 ・細くて折れやすいので、注意して扱ってください。 ・サポート材の痕は未処理です。 ・仮組は出来ますが、嵌合には調整が必要です。ヤスリや接着剤での微調整をご提案いたします。 ・メガミデバイスと互換性があるように作っていますが、嵌合部の調整は『必ず必要』です。 ・手足やフェイスパーツはサイズ感、使用例です。付属しません。 このページからの購入では、『無塗装』です。 ・表面にベタつきがある場合、陽光で半日ほど天日干しにしてください。 こんな陰鬱な『器具』を、天日干し……? 【購入に際して、事前に確認いただきたいこと】 3Dプリント出力品は、薄さ、細さ、長さに応じて、パーツに反りが発生します。 ――木材や金属より繊細だ、ということはわかりました。 出荷時には問題なくとも輸送時の環境(温度状態)や時間経過とともに反り、変形が経時変化として発生することがあります。 出荷時に検品し、問題なことを確認して発送いたしておりますが、出荷後に変形したものまでは責任を負いかねます。 当ショップの商品は、3Dプリント出力品です。したがって、商品には必ず『個体差』が生じます。 メーカーの射出成型品のような品質をお望みの方には当ショップの製品はご満足いただけない可能性がございます。 ――貴族さま方の言葉は、平民のわたしには知るよしもありませんね。 ご主人様が、わたしたち領民のために商人とお付き合いがあるということだけは理解しました。 ――女の子を『いじめて』『よろこぶ』『悪癖』がなければ、素晴らしいご主人様なのですけれど。 ======とある少女の日記帳より抜粋====== 【騎士修道会の鎧】 ――ほとほと愛想が尽きたのさ。 そういってご主人様の元を訪ねてきたのは、エリートと言って差し支えのない、ブラジウス教会の守護騎士様でした。 友だちが欲しい、とご主人様にわがままを言ったのが数日前。 わたしの預かり知らぬところで、わたしのお友だち『候補』を『募集』するという立て看板が領地のあらゆるところに立ったというのです。 それをみて訪ねてこられた方が何名いらっしゃるかわかりませんが、とかくわたしの元にひとりふたり、ご挨拶(というなの面接)をすることになったのです。 そのうちのおひとりが、目の前で少し疲れた顔をなされた守護騎士様でした。 ――あんたも、俺が怖いかい? 守護騎士様は、少々斜に構えたような、あるいは試すように、威圧なさいます。 笑みが攻撃の一種であるという、学者様の一説を腹落ちさせてくれるような、獰猛な笑みです。 ブラジウス教会の守護騎士様。 聖地奪還を謳い文句に、諸々の諸侯からの『援助』を受け、聖戦に赴いた騎士様方。 清貧の象徴であり、畏怖の対象であり、聖地奪還の希望の担い手である方々。 異国の地を踏み、敵を蹂躙すると共に。わたしには到底想像など出来ないような、遠征にともなう『意義のある苦難』と共にブラジウス教会圏の拡大の一助となった方々。 絢爛豪華な言葉からわかりやすく演出された、正義の味方。 その名に相応しい、力のある方がわたしの目の前に座っていらっしゃる事態に、いち領民として、背筋が伸びる気がします。 ですが、まあ。 守護騎士様がささくれ立つ気持ちも、わからなくもありません。 何せ、表立ってはいませんが、ちょっと口にし難い妙な話がまことしやかに噂されているからです。 人間は集団に紛れることで、どこまででも残酷になれるのだそうです。 顔を隠し、集団に紛れ、大義を掲げると、人間は個としてではなく、集団としてどこまでも酷い事をできるようになるそうです。 噂のように、親の目の前で彼らの子どもを……。 トトノさんから聞いた話ですので、話半分に聞いておく必要があるのですけれど。 とかく。 わたしは今まさに、この誰でもところ構わず取って食ってしまいそうなこの騎士様を雇うか否か……失礼、お友だちとして迎え入れるか否かを決断することを求められる立場にあるのです。 どんなお話をすればいいのでしょう? ヒトの生活を左右する決断など、一介の使用人であるわたしには荷が重すぎる話です。 でも、しばらく会話を重ねているうちに、だんだんと騎士様の事がわかってきました。 何が、と言われると言葉にできないのですが。 足を組み替えてみるちょっとした仕草とか、お出ししたジュースを美味しそうに飲むところや、わたしの顔をちらちらとうかがう様子とかを総合すると。 彼女は、ブラジウスの守護騎士などという大層な名前のついた獅子ではなく、木の実を集めてまわる小リスなんじゃないかなあ、と思うようになったのです。 怯える、小さな生きモノのように感じられてならないのです。 俺は甘くないぞ、危険で厄介で、簡単に手を出したら怪我をするぞ、と威嚇する小リスさん。 毛を逆立てて、めいいっぱい警戒する様は、きっと、辛い遠征から凱旋できたにもかかわらず、冷たい扱いを受けてしまったことが原因なのでしょう。 それがわかった瞬間、つまりは、強面の騎士様と警戒する愛らしい小リスの姿が重なった瞬間。 わたしは彼女を『お友だち』にする事に決めました。 まあ、友だちにしていただく、という表現の方が、限りなく現実に即しているとは思いますが。 最近、わたしの事を怖がる方が増えていて、内心、さみしく思っていたところです。 わたしは偉くもなんともないただの使用人で、誰を『いじめる』か選べるわけではありません。 確かに事実として、ご主人様と過ごす時間は誰よりも長いですし、最近のご主人様は不思議なほどに、わたしの意見を聞いてくださいます。 なので、わたしの感情はともかくとして、ヒトを『いじめる』お手伝いをするわたしを怖がることは、無理のないことだと思わないでもありません。 まあ、結果として、小リスのような騎士様と『お友だち』になれるわけですから、決して悪いことばかりではないと思うことにしようと思います。 わたしは、彼女を見つめて気持ちを伝えることにしました。 微笑を浮かべる自分自身を興味深く感じながら。 お友だちになりましょう、と。