コンセプトストーリー

　ここはナワバリの白ひげストア。この島では英雄である白ひげは大の人気者で、オヤジのフィギュアやモビーの模型、隊長たちのブロマイドまで売っている。商魂もすごいが、それを容認しているオヤジの懐も深すぎる。そして上陸のたびに新作出てないかな、と毎回リサーチしにくるわたしもわたしなのだけれど。 「えっ、これって…」 オヤジの髭の三日月型クッキーと、ビスタ隊長に関係ありそうで無関係なメーカーのローズヒップティーの隣に、見慣れないアイテムが増えていた。耳飾りだ。クジラじゃない。紫と、青と、……パイナップルのチャーム……。商品説明もなかったが、見る人が見ればわかる。どこからどう見ても一番隊のマルコ隊長の概念だ。それも、耳飾りって……！オヤジの薙刀型耳かきとは明らかにターゲットが違う雰囲気にドギマギしつつ、おそるおそるレジに持って行った。 　レジには腰の曲がったおばあちゃんがいて、これ、おばあちゃんが作ったんですか、って訊きたかったけど、ちょっとそんな勇気はなかったな。