サーベイ: コード・ブッダ、デカルト、ヘーゲル
- Digital0 JPY

電子書籍 JRF著『サーベイ: コード・ブッダ、デカルト、ヘーゲル』の EPUB3 と PDF のデータです。 ジョンおじさまからの委託販売のようなものになります。以下、ジョンおじさまからの説明です。: 下記概要のような内容の電子書籍です。無料です。EPUB3 版と PDF 版を用意しましたが、内容はどちらも同じです。モバイルだとアプリさえあれば EPUB3 のほうが読みやすいのではないかと思います。
概要
本レポートは、『宗教学雑考集』正式版 第1.0版の出版準備に入る直前に読んでいた本について、私のブログ《JRF のひとこと》で書いたことを、そのまままとめたものである。『宗教学雑考集』正式版を書き終ったあとはしばらく他のことに関心を移す予定で、『宗教学雑考集』への関心を保ったまま読書する一つのピークが、今回紹介する部分になると思われる。元々書いているときは特にまとめる意図がなかったが、一つのピークを記録しておくのも意義があるかもしれないと思い、まとめるにいたった。 姉妹品に『サーベイ: スピノザの思想』がある。そこに含まれるスピノザの思想書を読む途中に読んだ円城塔『コード・ブッダ』、スピノザを読み終ったあとに着手したデカルト『省察』とヘーゲル『宗教哲学講義』とシュヴァイツェル『キリスト教と世界宗教』について、引用しながらコメントしていく。 円城塔『コード・ブッダ』は、2021年に AI がブッダとなり寂滅してからの「機械仏教」が描かれる SF 小説。技術書『「シミュレーション仏教」』を 2022年 に書いた私は、読まねばなるまい、と思って読んだ。 デカルト『省察』は、スピノザをいろいろ読んできて、やはりその「源流」たるデカルトを読まねばなるまいと手に取った。デカルトは、「我思うゆえに我あり」、つまり、仮に神が自分を騙そうとしていて、三角形の性質さえ疑わねばならないとしても、考えている「私」が存在していることは確実に言える…とした。それが近代哲学の基礎になったのは有名。あとこの本では、神の存在証明もいくつか記述する。 ヘーゲル『宗教哲学講義』は、近年では批判の強い、キリスト教独善的立場からではあるのだが、各種宗教を論じた本。しかし、ヘーゲルは、各種宗教にも、人が広く信じているのだから、必ず何がしかの合理性があると信頼して、その根拠を探している。それは、「野蛮」な信念についても近代的な解釈の可能性を拓いてみせたことになり、それが貴重で、ヘーゲルが右派にも読まれる理由の一つとなっていると思われる。 シュヴァイツェル『キリスト教と世界宗教』は、ヘーゲルが批判した「キリスト教の敬虔主義」的態度で、東洋宗教…特にそのころ問題となっていた神智学に絡んで、インドの宗教を批判している。著者は「シュバイツァー博士」の名で、アフリカで伝道と医療に携わった偉人として、日本では伝記マンガ等でも知られる。
目次
* 概要 * 円城 塔『コード・ブッダ』を読んだ。2021年に AI がブッダとなり寂滅してからの「機械仏教」が描かれる SF 小説。技術書『「シミュレーション仏教」』を 2022年 に書いた私は、読まねばなるまい、と思って読んだ。 * デカルト『省察』(山田弘明 訳)を読んだ。精神は集団の抑圧により成立し、精神が内面的に「明晰判明さ」を得るためには、外側で、司書の誠実な伝統が必要であろう…と私は考えた。 * ヘーゲル『宗教哲学講義』(山崎純 訳)を読んだ。最後の審判が「その生で答えを出す」主体性を求め、救世主イエスの無為の死が「どうしようもない」人生の一般人に、しかし、権利・義務という普遍性に生きれば救いがあると示した。…というのがヘーゲルの考えか…。 * シュヴァイツェル(シュバイツァー)『キリスト教と世界宗教』を読んだ。ヘーゲルを読んだあとだからか、その敬虔主義的態度にモヤモヤした。
利用方法
PDF ファイルは、ブラウザで読むなり、印刷するなりして読んでください。 EPUB ファイルは EPUB 対応のビューワーで読んでください。横書きです。 私は、PC では Thorium Reader (v3.0.0) と 超縦書 (v2.3.1) というビューワーで、Android では Reasily というビューワーで確認しています。
利用条件
無料公開の電子書籍の一般的な慣行に基本的に従います。例えば、改変後、自作のように再配布するのはおやめください。基本的には再配布は可です。 公開から2週間たったぐらいに国立国会図書館に納本(寄贈)します。インターネット全公開で登録します。何か問題がありましたら、納本までにご一報いただけると対応できます。
言い訳
需要がないのはわかっているのですが、自己満足のために、このような epub と pdf を作りました。ちなみに「素人論文」で、arXiv とかはとてもじゃないが受け容れてもらえるようなレベルでもありません。国会図書館に無料公開で登録するのが大きな目的で、それにはすでに出版されている必要があったのです。
履歴
2024-12-11 第1.0版 公開。 2024-12-25 第1.0版 国会図書館に納本(寄贈)。