この山の麓に、誰もいなくなりすっかり朽ち果てた神社がある。 　きっと、かつては此処に住んでいたであろう神様も、この荒れ果てた様では何処か別の場所へと行ってしまったに違いない。 　そんな神社の傍らに、誰にも世話されることなくひっそりと生えている鬼灯がある。 　雑草だらけのその世界の中で、誰に対してでもなくただ誇示している鮮明な赤だけが、まるでハート型の宝石のように輝いて見えていた。 　──こんな噂話がある。 　この鬼灯を、輝かしい夕日を浴びて眩い茜に輝くその瞬間に摘み取って想い人へと渡すと、その二人は結ばれるらしい。 　……そんな都市伝説じみた話、単なる作り話だろうとは思うのだが。 　これを渡した時の彼女がどんな顔をしてどんなことを言うのか、その反応を知りたくて。 　僕は、夕日を背に最も綺麗な形をした鬼灯をひとつ摘み取ったのだった。 　　　　　　◇　◇　◇ 鬼灯を象ったディップアートのマスコットチャームです。 付属の金具はお好きなものに換装してペンダントトップやピアスなど、お好みの形でお使い下さい。 【ディップアート取り扱い上の注意】 レジンコーティングを施し強度を上げてはいますが、ディップアートの特性上内部は空洞で刺突系の衝撃に弱いため、針等の鋭いもので強く突いたりすると穴が空きます。落とした程度では破損はしませんが、取り扱いには御注意下さい。