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北温泉旅行記
- Digital100 JPY
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本稿は2013年11月に栃木県那須温泉郷の北温泉に初めて一泊旅行した際の記録である。 北温泉は天狗の湯や15mある野外の温水プール(泳ぎ場)で知られる奥那須の湯治場だ。江戸時代建造の木造建築が現役で使用され、修験場の雰囲気を色濃く残す温泉としてコアな人気を誇っている。映画「テルマエ・ロマエ」のロケでも使用された。 個人的にはつげ義春のイラスト画や桜玉吉作品で馴染みがあり、兼ねてより憧れを抱いていた場所であった。 旅の道連れにしたのはバンド仲間でベーシストの大下氏だ。つげ作品を愛好する彼ならば北温泉の佇まいはきっと趣味に合うだろうと考えた。当日は二人とも体調を崩し散々な目に遭ったが、印象に残る旅であったのは間違いない。当時は二人とも三十路前後で来し方行く末に思うところもあったのだろう、読者には鬱陶しいと思われるやり取りもあるが、臨場感を優先して基本的にそのまま収録した。 なお、この旅行を皮切りに那須温泉郷には度々訪れるようになった。特に那須湯本温泉の硫黄泉に魅了され、旅館街にある自炊宿を定宿として今も年に2回くらいのペースで出掛けている。北温泉にも幾度となく通い、常連客だけに郵送されると噂の特製カレンダーも遂に入手してしまった。 もう8年前の旅行記なのでデータとしては古いものだが、旅の参考などにして頂ければ嬉しい。そしてこの素晴らしい湯宿が末長く存続することを心から願っている。