新月の夜は願いのほとりで
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この世界の魔法には、いくつもの制約がある。 例えば1つ。魔法は、その魔法を使う者自身にかけることはできない。 よって、魔法使いは、自身を防御魔法で守ることができない。 そして2つ。魔法による防御は、物理による攻撃に拮抗する。 よって、剣士に防御魔法を施せば、剣士はその剣を以て相手を攻撃することができなくなる。 さらに3つ。魔法は、無から有を生み出すことはできず、また、組成の異なるものに変換することもできない。 よって、どんなに凍えても火種がなければ炎は得られず、どんなに飢えても泥水をパンに変えることはできない。 他にも多くの、制約がある。 「魔法士」と「剣士」を対の柱とした国。 辺境地の路地裏で生きていた幼い兄弟は、凍える冬の日、王都の役人を名乗る男に保護される。 やがて、彼らは成長し、魔力を持つ兄は「魔法士」、魔力を持たない弟は「剣士」の道を歩んでいく。 だが、ある夜、弟は、未知の魔法により、狼の姿に変わってしまう。 新月の夜しか人間の姿でいられなくなった弟を元に戻すため、兄は弟とともに、魔法を解く方法を探して、旅を始める。 旅の途中、出会った人々を救いながら、各地を巡る兄弟は、やがて、この世界の魔法の理と、弟にかけられた魔法の真実に辿り着く。 切なく優しい、願いと命の物語。
webで試し読みができます。 https://kakuyomu.jp/works/16817330650828435869
A6(文庫)/ 280ページ
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