書籍|文庫判(A6)
56ページ
2023/5/21(日)発行
百合短歌を111首あつめました。表紙は岡藤真依さん、デザインはあきやまさん。
「ピアスホール」
なつかしくおもう準備をするような二月の芝居じみたおはよう
卒業を待たずに開けたおそろいのピアスわたしをわすれていいよ
ためらえば痛くなるだけはじめての傷を互いの肌に刻んで
消毒に慣れていたのに気がつけばピアスホールは膿んでしまった
まだ針を刺せば血が出るなにもかもなかったことになんてならない
わたしだけ続きを生きてあの子からなつかしいって言われてしまう