2023/5/21(日)発行の書籍版を電子化。
表紙は書籍版から色を変更しています。
百合短歌を111首あつめました。表紙は岡藤真依さん、デザインは秋山智憲さん。
「ピアスホール」
なつかしくおもう準備をするような二月の芝居じみたおはよう
卒業を待たずに開けたおそろいのピアスわたしをわすれていいよ
ためらえば痛くなるだけはじめての傷を互いの肌に刻んで
消毒に慣れていたのに気がつけばピアスホールは膿んでしまった
まだ針を刺せば血が出るなにもかもなかったことになんてならない
わたしだけ続きを生きてあの子からなつかしいって言われてしまう