地球から月へ、人類が移住して約五十年後。月の社会は、様々な要因により文化的には地球時代より後退した状況になっている。 一方で、首都の若者たちの間では地球回帰ブームが起こっており、地球行きシャトルの密航が問題になっていた。 月の女子高校生の鳥飼ハルは、将来の目標を持てないまま、大学を目指して勉強したり、親に幻滅したり、違法ラジオのDJに憧れたりしている。 幼馴染で初めての相手だった風見アスカは、学校一の問題児で、どうも怪しい連中と付き合っているらしい。 会いたくないと言いつつアスカが気にかかるハルだったが、ある日――? 第三十七回文学フリマ東京に出品した小説本(A6文庫版、本文106頁)です。 過去作「花はここに/彼方の断片」と設定を共有しています。