恋のびくん 日本恋愛文学の世界 文豪編(送料込み)
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新書判 216ページ
文豪たちが紡いだ恋の文学、 計10篇。 ご堪能ください。
ウェブメディア「soyogo」で恋愛小説『辺境恋愛詩』(雪舟えま著)の連載がスタートしたことを記念して、日本の恋愛文学アンソロジーをつくりました。 文豪たちが紡いだ恋の文学10篇を、ご堪能ください! <収録作品> 「恋愛の微醺」林芙美子 「恋」正岡子規 「恋」宮沢賢治 「恋の後悔」中原中也 「恋愛論」坂口安吾 「人でなしの恋」江戸川乱歩 「或恋愛小説ー或は「恋愛は至上なり」ー」芥川龍之介 「恋愛恐怖病(二場)」岸田國士 「恋の伝七郎」山本周五郎 「恋愛といふもの」岡本かの子 ・・・、少しだけ作品の一節をのぞいてみましょう。 林芙美子『恋愛の微醺』 夫婦同士は貧しくてもいいけれど、恋愛は貧しくては厭だ。しみったれて、けちけちした恋愛はまっぴらごめんだ。せめて恋愛の上だけでも経済を離れた世界を持ちたい。 正岡子規『恋』 人間世界の善悪が、善悪の外に立つ神の世界の恋に影響のしようがない。 宮沢賢治『恋』 かしこにひとの四年居て あるとき清くわらひける そのこといとゞくるほしき 中原中也『恋の後悔』 女を御覧なさい 正直過ぎ親切過ぎて 男を何時も苦しめます 坂口安吾『恋愛論』 恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。 江戸川乱歩『人でなしの恋』 男の愛というものが、どの様なものであるか、小娘の私が知ろう筈はありません。門野の様な愛し方こそ、すべての男の、いいえ、どの男にも勝った愛し方に相違ないと、長い間信じ切っていたのでございます。 芥川龍之介『或恋愛小説――或は「恋愛は至上なり」――』 世間の恋愛小説を御覧なさい。女主人公はマリアでなければクレオパトラじゃありませんか? しかし人生の女主人公は必ずしも貞女じゃないと同時に、必ずしもまた婬婦でもないのです。 岸田國士『恋愛恐怖病(二場)』 あたしは、異性の友達といふものに、それほど期待をかけてはゐないの。生活を新鮮にするのは、新しい恋愛だと思つてゐるんですからね。 山本周五郎『恋の伝七郎』 「美しい人てえのはなんだ」「ひと口に云えば女ということさ、恥を云わなきゃあ理がとおらねえ、おまえだからざっくばらんに云っちまうが、伝さん、おれには三年まえから心に想っている人がいるんだ」 岡本かの子『恋愛といふもの』 恋愛は詩、ロマンチツクな詩、しかも決して非現実的な詩ではないのであります。