ほくたん会員が自費出版した短歌同人誌です。「短歌とは、伴奏のない音楽である。」という理念のもと創られた連作5作品が収められています。
嗚呼ネモフイラ みづからの死に手向けむとおまへは空色(セルリアン)の花を (『春愁』より)
廃園に黒薔薇一つ立ち尽くしいつとう小さきグランデイオーソ(『無伴奏パルティータ』より)
わがうたよ 鏡のやうにすきとほれ こんな憂ひもすらりとうつせ(『草笛』より)
「恋少ない人生ですから私にはささやくやうにさはってください。」(『愚恋』より)
夜が来ぬ
炎のためのカンバスが、
恋人たちのための真昼が。(『かがりび』より)