【電子書籍】マミーと僕と青い空 宇宙駅『神田』人情奇譚
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真っ白な部屋に、真っ白なベッド。そしてモニターと部屋中を見つめるカメラ。これも、僕にとっては当たり前の光景。何故か僕は、物心ついた頃から、いつも一人で、このたった一つ、小さな丸い窓が天に向かって開いた部屋にいた。そこで、ホログラムスクリーンに映るプログラムを指示通りに組む毎日。うまく出来れば、次の問題が現れ、うまく出来なければ機械の声で延々と罵られ、連続して間違えれば、罰として電流が走る。今もそれはたまに夢に見るけど。 そんな僕の毎日に彩りをくれるのが、マミーだった。 一日一回、時間はまちまちだけど、部屋に来て、おやつをくれて、お話をしてくれる。そして、いつも番号で呼ばれる僕を抱きしめ、優しい声で『ファボス』と名前を呼んでくれる。 「ファボ、良い? あなたはいつか、この星を出るわ。そして別の星に行くの。その途中に『青い空』が見える星に着いたら、船を出て、空を眺めてご覧なさい。そして、そこにいる人とお話をしてみなさい。……きっと、あなたは『救われる』わ……」 マミーはいつも、僕を抱きしめると繰り返し、繰り返し言い聞かせた。 『青いお空の下に出て、青いお空を見上げてご覧なさい』 「マミー、マミー、今、僕は青いお空の下にいるよ」 既刊「さまよいジャック」「誉無きイヴ」と同一世界SF短編集。 ちょっと切なく優しい、SF日常人情話です。 収録作品 ・春 マミーと僕と青い空 ・梅雨 宙の我が家 ・夏 その心は誰がために ・秋 お星様みかん ・冬 さよならサンタさん ・そしてまた春 とおりゃんせ~あの子の桜のお祝いに~(書き下ろし) 試し読み→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9479336 注意 ※試読版(無料)をDLして確認してからご購入下さい。 試読版 → https://iguana-ippuku.booth.pm/items/5148884 ※ Google Play Books・Kinoppyではレイアウト崩れがないことを確認しています。他のリーダーアプリ、閲覧環境によっては、レイアウトが乱れる可能性がありますので、ご了承下さい。