近代文学はつねに「病」を描くことによってその存在価値（レゾン・デトル）を証明してきた。ならばわれわれは、病を搾取することによって成立する既存の文学からの遺産相続を進んで放棄しよう。そして、美しき「病」に抗して物語を読む／書くために、「健康」とは何か、その定義を再考することからはじめようではないか。 各々の作品にあらわれる療養の過程は、あなたがいま、精神的／肉体的な病をその内側に抱えているなら、必ずやあなた自身の経験と共振して迫るだろう。 ・Ａ５ ・１５０ページ（本文１４６ページ） ・９００円（本体５３０円＋送料３７０円） ・目次 巻頭の辞・特集「健康の現在地」に寄せて 特集＊「健康の現在地」＝＝＝＝＝＝＝＝ 【エッセー】 アラサーちゃん　　『非モテ障害者』 延岡佑里子　『発達障害ジャーナリング（笑）』 三休　　『サムシング・ヘルスについて――ノードラッグでブチ極まる』 山崎百合子　　『つわりの現象学――身重のロカンタン』 白土宗　　『魂とヘルシー、或いは "I need to be myself 』 早瀬麻梨　　『まりちゃんのしっぽ──協調運動障害の話』 【小説】 豊洲銀行　網走支店　『アルコール消毒』 【戯曲】 遠藤瑞希　『ひかりの中を歩くように』 【論考】 杉山敦紀　　『来るべき〈シン・健康〉 ――エンタメ日本の光と影』 宮澤なずな　　『生き延びるための破滅――『言語と妄想』『チェンソーマン』から読み解く、現代の精神危機について』 三枝貯水　『あなたは不死である』 【小説】 あさいひろふみ　　　『受粉症』 十立芥子業　　　『彫刻（二）シルヴァー・ラビット・ホール（上）』 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 【論考】 Ilapaj　　『魂とは何か』 【小説】 檜澤昌子　 『天使のお世話』 干辺那比陀　『歎牲雑言録・絶対に間違っている人々』 杉山敦紀　 『交友録』 【エッセー】 山本水面　　『渋谷区生まれ港区育ち、関西で死ぬ　〜ボケ・ツッコミ強迫観念篇〜』 三枝貯水　『ウソップ・ドロップ』 ◆◆◆ 執筆者紹介 初版第１刷発行 2024年12月1日 企画・編集・発行 「ごっ魂ぜ」編集室 gottamaze2022@gmail.com X（旧Twitter）@got_tama_ze 印刷・製本 雑誌製本キング（株式会社イタミアート、岡山県岡山市南区新保660-15） 巻頭言　　　　 柳井窶・杉山敦紀 表紙　　　　　 笹本パンダ ロゴ 　　　　　クロマチゲン 落丁・乱丁があればお取替えします