あの人たちは至って真面目だ。熱意と清潔さだけで社会を動かせると信じる誠実さ。そこで生じた冷笑は嘲りというより、祈りに近いのかもしれない。世界に向けてではなく、自分に対する祈りである。正しすぎる人を見て笑うのは、たぶんその正しさが怖いからだ。「どうか、私があんな風にならないように」と世界と距離を取って、自分をも戒めている。 　冷笑とは、そうした「余白」を取り戻す行為だと考えたい。 ・Ａ５版 ・２３０ページ（本文２２６ページ） ・９００円（本体５３０円＋送料３７０円） ・目次 巻頭言・特集「超冷笑主義」に寄せて–倫理的に口角を上げる方法 特集＊超冷笑主義–ポスト共感社会を生きるために＝＝＝＝＝＝＝＝ 【小説】 豊洲銀行　網走支店『＃事務ミスアワード』 久米川康治『千年王国ユーモニア』 城有ひかり『れいしょうぶっ！–みんな本気で高校生活やってんの？笑–』 早瀬麻梨『根岸の寅吉』 杉谷真『細やかな冊子』 【ルポ】 梨本葉奈瀬『実録！介護現場を冷笑した男は肉親の死にどう向き合うか⁉―愛と欺瞞に満ちた三〇代男性の内面世界に迫る』 匿名希望『冷笑、露悪に対する実体験からの警告』 【論考】 匿名希望『冷笑、シニシズムの普遍性』 大村壮太『千葉雅也のマゾヒズム』 根性の丸焼き『狼の楽園、豚の地獄』 虫塚虫蔵（特殊雑文家）『蛭子化する世界–あるいは「救済装置」としてのバイオレント・リラクゼーション論』 【ジョーク集】 編集/訳・青嶋游也『まだ日本人の知らない可笑しい噺』 【エッセー】 豊悠馬『表敬肛門』 【公文書】 仲谷グリコ『法制審議会　刑事法　冷笑罪（仮称）導入に関する検討部会』 【？？？】 十立芥子業『冷笑する魂–あるいは絶対零度が揺らす陽炎』 企画＊声優をざつに語る＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 【座談会】 That's Seiyu Talk　声優ざつ語り　ぼくのわたしの声優事件簿 【エッセー】 松の葉『カッコいい男の子』 【小説】 風俗誌『循声追夢』 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 【エッセー】 Gone Girl『あなたが生まれる前のこと』 もも『たまらない万博』 【小説】 豊悠馬 『未完のフィルム』 あさいひろふみ『忘れられないの』 【日記】 笹本パンダ『2025.10.15』 【設定資料】 豊悠馬『郎女夢奇譚　妖怪図鑑』 ◆◆◆ 執筆者紹介 初版第１刷発行 2025年11月11日 企画・編集・発行 「ごっ魂ぜ」編集室 gottamaze2022@gmail.com X（旧Twitter）@got_tama_ze 印刷・製本 雑誌製本キング（株式会社イタミアート、岡山県岡山市南区新保660-15） 巻頭言　　　　 池田ハルミ 表紙　　　　　 笹本パンダ ロゴ 　　　　　クロマチゲン 落丁・乱丁があればお取替えします