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企画『文豪と万年筆』は、水野ゼミの本屋の復刊プロジェクトの1つです。 埋もれた文学作品を、学生自身の手で、書き起こし、校正、編集、レイアウト、装丁を行い、印制された本の販売(委託)までを実践することを目的としています。本企画は、文豪が書き遺した万年筆に関する随筆や創作をアンソロジーとしてまとめたものです。 書誌情報 ページ数:168ページ 販売価格 700円(文フリ東京は特別に500円) ※販売価格は変更する可能性があります。 ISBN 978-4-9912909-3-0 5月11日文学フリマ東京で初売りします。 収録作品 収録作品は以下の通り 第1章:「漱石と万年筆」 ① 夏目漱石『余と万年筆』 ② 内田魯庵『温情の裕かな夏目さん』 ③ 夏目漱石『文士の生活』 第2章:「東西の筆」 ① 内田魯庵『萬年筆の過去、現在及び未来』 ② 高島米峰『洟紙と箸とペン』 ③ 内田魯庵『万年筆と短冊』 ④ 戸川秋骨『二万三千哩の万年筆』 ⑤ 谷崎潤一郎『文房具漫談』 ④ 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』(抄) 第3章:「文豪と万年筆」 ① 北原白秋『"ONOTO"』 ② 小川未明『学校の帰り道』 ③ 邦枝完二『万年筆を売る男』ー小説のタネにならない話ー ④ 馬場孤蝶『万年筆の経験』 ⑤ 徳田秋声『灰皿』 ⑥ 窪田空穂『初めて万年筆を使った頃』 各章のご紹介 第1章「漱石と万年筆」 夏目漱石の愛用した万年筆にまつわる話をまとめました。「余と万年筆」は、漱石自身の万年筆との出会いと思いが綴られています。「温情の裕かな夏目さん」は、内田魯庵から漱石にオノトが贈られた経緯が書かれています。また、「余と万年筆」は魯庵が漱石に無理に頼んで書いてもらったことが明かされ、作中で語られた万年筆に対する評価は、漱石の素直な思いではなかったことが明らかになります。そして、「文士の生活」の終盤で、漱石は本当の思いを書いています。 第2章「東西の筆」 東洋の毛筆と西洋の万年筆の比較をテーマにしている作品をまとめました。谷崎潤一郎のように伝統を重んじ、毛筆をこよなく愛する文豪もいれば、 内田魯庵や高嶋米峰のように欧化の波に乗り、万年筆の使用を推進する者もいました。その一方で、戸川秋骨のように情勢を冷静に見つめる者もおり、いずれの作品も、急激な欧化政策に揺れる日本に生きた文豪ならではの考え方や価値観を知ることができます。 第3章「文豪と万年筆」 第1章と第2章のテーマに収まり切らない随筆や創作をまとめました。小川未明や邦枝完二の作品には怪しげな万年筆売りが登場し、当時の文化や風俗を知ることができます。馬場孤蝶、徳田秋声、窪田空穂の作品は、万年筆との出会いや、こだわりについて書き遺したもので、現代に生きる私たちが、万年筆を初めて使用する際に参考になりそうなこともまとめられています。