「そういうこと、してほしくなかった」
息子はただ、それだけを言った。
怒っていなかった。声を荒げることもなかった。
でも、その言葉が一番痛かった。
あの一言で、
父親としての自分が崩れていく音がした。
弁解しようとすればするほど、
“親”ではなく、“ただの男”になっていく気がした。
父であることが誇りだった。
だからこそ、
そう言われたあの日、
父親じゃなくなった気がした。
これは、
子どもから真っ直ぐに放たれた言葉が、
大人の心を静かに壊していく記録。
それでも、まだ父でありたいと願う
すべての人へ。