【PDF】ビールとまなざし
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私自身の経験や感覚から始まり、「クラフトビールにおける日本らしさ」や「日本らしいビール」というものについて考えてみました。 外国に行った時現地のパブでビールを飲み、私はその味わいや雰囲気などからその地域の地ビールを認識しましたが、それと同時に「あぁ、自分は余所者なのだな」という感覚にも襲われたことを強く覚えています。現地の方々には自明すぎて単離して理解することの出来ないものを私は発見したとも言えるような気がしますが、それは結局自分自身が日本人であるという理解の上に成り立っていることで、だからこそ余所者としての自分を意識せざるを得なかったわけです。 翻って、日本らしさを考えた場合それを規定するものは何かという疑問が浮かびます。日本人である私に、私たちにそれを描き出すことが出来るのだろうか?とか考え込んでしまうのです。どういう場から眺めているのかに始まり、見られる自分の姿と自ら見せている姿というものには違いがあることを認識すると「らしさ」について解きほぐすヒントが見えてくるかもしれない。言われて初めて気づく自分というものがあるような気がしているのです。 「どのような人がどのようなまなざしを向けるか」を考えつつ、「誰に見られているか」を意識することで私たちや日本という国のことが規定されるのではないかと考えています。 目 次 1.アムステルダムで気が付いた余所者である自分のこと 1 2.日本らしさを発揮するべき場 2 3.Toriaezuの示すもの 3 4.粋と認識される条件 4 5.日本らしさを考える 5 6.ドイツビール、ベルギービールと言うけれど 6 7.10年前までに出来なかったこと 7 8.大手のクラフトビールの傾向 8 9.New Zealand IPAの誕生 9 10.私が麹ビールに注目する理由 12 11.日本はもっとバカになればいい 13 2021年12月31日 コミックマーケットにて初版発行