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ただ、お前と花火が見られたら、それでよかったのに。 「それと、東さんのこと好きでした」――あの人波に、彼女のまぼろしを見る。記憶の中の人見は今も十八歳のまま、俺の手の届かないどこかの国にいる――人見摩子が、近界人に攫われた。忽然と空いた穴に、行き場を失った感情がただただ流れ落ちていく日々。流れゆく時間の中で思い出すのはいつも、間に合わなかった花火大会の記憶だった。あの夜、俺がもし間に合っていれば、彼女はどんな浴衣で、どんな表情で、俺の隣にいてくれたのだろうか――どれほど離れても、会いたい人がいる。これは守れなかった約束を、もう一度結びなおすための物語。 *** ▽ 11月17日 吾が手に引き金を20 / 青梅Bホールム71a / 「さかさま文庫」 東春秋 × 人見摩子 文庫本 | P232 | 表紙透明箔 表紙・装丁 まめきちさん(https://www.pixiv.net/member.php?id=246226) [ ※以下の要素を含みます ] [ 年齢操作 / オリキャラ(人見登場シーン全て) / 多々捏造含む ]