煢然抄(けいぜんしょう)非売品
- ¥ 600
※五月初旬までに在庫一掃のため処分対象になります。お求めはそれまでにお願い申し上げます。 2018.8-2019.12の作歌の中から「孤愁」をテーマに編纂しました。 2011年から諸事情で休筆しており、復帰後第一作となりますので、さまざま不慣れなことはありましたが、お手にとって頂ければ幸いです。 現代口語体と文語体。一部旧かな。 シナトラの「I did it my way!」に自分の半生重ねてみたり ただ生きる普通であろうと努力する一生そうする故、ただ生きる 恥の多い人生を送って来ましたが残念ながら当分生きます 世知辛き塩の味する憂ひなどとんじるにして喰らふてしもた 血を以て短歌を詠みける日もありき指を削りて書く心地にて いきをするいきがたりないいきをするしんこきゅうするいきがたりない 凩(こがらし)に倒さる自転車いとかろき時代の風と重ねても見つ 手をひらく淋しさゆゑに手を握る寂寞ゆゑにこぶし視て居る 夕月夜をぐら山にも闇降りてバスといふ名の揺る舟に乗る べに色の霞みかるよう日に増して色づき初むる枝の先かな 1と2の間の距離が遠過ぎていつまで経っても君に着かない ペトリコール土など見えぬ都市にいてこれだけは何故香りたつのか 天雲の別れ行く早瀬は澪標とどめおくすべ吾は知らざり 駅で買ふたるペットボトルの姿してたぷりと孤独手の内で鳴る 知らざりき鶴瓶落としのゆふぐれに燃ゆ紅のいろを見ゆなど 葛籠折れ道往く吾なれど東雲の明く払曉に吾が心あれ 今見返しても、まだまだだなぁ、と思うことですが、その時の必死さはそのままそこに残っていて、自分にとっては大事なフラッグストーンです。ここから始めることが出来る。 小口が赤、カバーをめくっていただくと和綴じ様仕様になっています。 A5/154p/2020.3.31 初版発行