【鬼のご乱心/水面鏡】
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【鬼のご乱心】 blogで公開していた「土沖」小話です。甘々……がお嫌いでない方は是非。 土方さんがご乱心、その原因は――? (blog掲載日:20141114) 【水面鏡】 上述【鬼のご乱心】の総悟version。 「いつか書けたら」と気前良く口にしてはいたものの、たぶん書かないだろなと思っていたことは内緒にしておくべきでしょうか。 なぜか書けてしまったので、としか言い様のない作品ですが、どなたかの手慰みくらいにはなれたら幸いですm(__)m (blog掲載日:20151107) 《参考データ》 ・本文データは「pdf」 ・原稿用紙:9784文字÷400=24頁強 ・スマホ版:25文字×25行換算=14頁
【鬼のご乱心/水面鏡】
【鬼のご乱心】 総悟が男に抱かれていた。否、犯されていた。 一糸まとわぬ総悟にぴっちりと覆いかぶさったその男も一糸の纏いなく、総悟を掻き抱く腕は似つかわしくないくらいに優しく、けれども総悟は無声映画の登場人物のように、無音でただ口だけで「イヤダ、ヤメテ」と繰り返していた。 深く閉じられた眦から、流れた涙の跡は一本や二本ではなかった。跡となって残っているその筋が物語るは、総悟はかなり長い間、男の無体につき合わされているということだ。だが俺にそれほど長い時間、二人を見下ろしていた自覚はなかった。 【水面鏡】 左肩からバリバリと食べられている感触がリアルだった。 もちろん、実経験として肩から背中から、骨も肉も関係なしに喰われたことがあるわけではない。そもそもそんな体験しておいて生きてる人間がいてたまるか。 どんなに俺の見た目が地球人よりも天人寄りだと噂されていても、俺も姉上も歴とした地球人だ。髪の色が薄いくらい、瞳の色が赤いくらいで差別すんじゃねぇ。