めじろ通信社『君を待つ嬰児（みどりご）』（エモクロアTRPG）
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二足獣企画【TRPG関連web即売会『賽ノ目日和3』】にて公開。 真夜中、ほんの少しだけお時間を頂けませんか。
▼導入
とある一日の終わり。夜遅くに帰ってきた共鳴者は、明日の朝の収集に合わせてあらかじめごみを出しておくことにした。理由は何でも構わない。ごみの詰まった袋を掴んで階段をおり、ごみ捨て場に置き、自室へと戻る。 それだけのことだ。
▼共鳴者とその周辺
共鳴者は、１ヶ月前からマンション「ルノワール伊月（いつき）」の301号室で一人暮らしをしている。都市周縁部にある４階建て・鉄筋コンクリート造・築20年のマンション。最寄り駅まで徒歩10分・南向き・オートロック・ペット不可。これといって説明することのない、何の変哲もない賃貸物件である。 共鳴者が暮らす部屋は、玄関・キッチン・リビングが一直線に繋がっている、単身用マンションとしてはありがちな間取りの部屋だ。地域の賃貸相場を考えると少々手狭な物件だが、リビングにある２つの窓から射しこむ太陽光がキッチンまで照らしてくれるからか、居心地はそこまで悪くない。 ……ただ、一つだけ気になっていることがある。共用のごみ捨て場に放置されている赤いゴルフバッグだ。粗大ごみとして回収されないまま、もう一ヶ月は経っただろうか。いつの間にか置かれていたため、持ち主については不明である──そもそも、このマンションに知り合いらしい知り合いはいない。顔を合わせれば頭を下げる程度で、立ち話をするようなことは一度もなかった。 そうであれば、他の一切を問わない。
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