【小説】あの映画の幽霊だけは本物だ
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一目でギョッとする表題作が問答無用の面白さ。「死んだ人が見える」少年とカルト映画を繋ぐ旅 ーー「映画秘宝2021年4月号」書評より 映画ライター・後藤健児が送る、短編小説集。 ジャンル:小説 サイズ:文庫判(A6) ページ数:214ページ
一目でギョッとする表題作が問答無用の面白さ。「死んだ人が見える」少年とカルト映画を繋ぐ旅 ーー「映画秘宝2021年4月号」書評より
作品紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=D2f0Tmtwo0E 【概要】 幽霊が見える孤独な少年の青春を描いた表題作『あの映画の幽霊だけは本物だ』をはじめ、外宇宙からやってきた異星人との奇妙な邂逅を描く、性暴力被害の対話劇『性暴力が星を滅ぼす』、世紀の天体ショーに浮かれる世間に背を向けた、孤独な少女の一夜の物語『絶対に夜空は見上げない』、新型ウイルス感染症が猛威を奮う中、平凡な大学生と映画館スタッフの苦闘を綴る『私には要も急もある』『映写機の回らない日』を収録した中短編集(全5篇)。 ■収録作品 ◇『あの映画の幽霊だけは本物だ』 90年代、VHSビデオの時代。貞夫は幽霊が見える少年だった。自分だけに見える縞模様の死者。他人には見えず、誰とも共有できない孤独と恐怖。ある日、偶然に見たアメリカの低予算C級ホラー映画『サイキック・ストレンジャー 邪』に描かれていたのは、自分だけに見えると思っていた縞模様の亡霊だった。この映画の製作者は自分と同じ、本物の幽霊が見える者に違いない!貞夫はその映画の監督に会うため、単身渡米を計画するが……。 ◇『絶対に夜空は見上げない』 友達の誕生会であらぬ濡れ衣を着せられた小学生の彩子。まもなくやってくる世紀の天体ショーに浮かれる世間に背を向け、ひたすら足元だけを見つめ続ける彼女が見つけたものとは。孤独な少女の一夜の物語。 ◇『性暴力が星を滅ぼす』 過去に負った痛みと苦しみをいまも抱える、ある孤独な女性の前に、異星からの不可思議な来訪者が現われる。人けのない夜のコインランドリーを舞台に、両者の奇妙な対話が始まった。その邂逅によって、女性の心に変化が訪れるが……。性暴力被害についてのSF風味の対話劇。 ◇『私には要も急もある ~羽田涼子VS新型ウイルス感染症~』 世界中に広がる新型ウイルス感染症に、平凡な女子大生、羽田涼子と親友の結衣はどう立ち向かったのか。買い占めに至る群集心理をテーマにした、2020年3月のある戦いの記録。 ◇『映写機の回らない日 ~北浦結衣VS新型ウイルス感染症~』 未知の新型ウイルスに感染した映画館スタッフの結衣。自身は隔離され、職場の劇場は休館となり、未来への望みを失いかけた彼女にもたらされた映画の力とは。2020年4月のある戦いの記録。 【著者紹介】 VHS専門レンタル「カセット館」主宰。VHSのみで観られ る映画を送り届けている。文筆業として、『映画秘宝』『別冊映画秘宝 恐怖 ! 幽 霊のいる映画』(双葉社)などで映画評の執筆。他、『サクリファイス』『透明花火』 『サーチライト - 遊星散歩 -』などのパンフレット解説など。小説『あの映画の 幽霊だけは本物だ』『これぞ我が銃、我が愛銃』が Amazon Kindle や阿佐ヶ谷 ネオ書房で発売中。最近は、映画秘宝公式 note、モノ・マガジン web などの web 媒体でも映画関連の取材記事を執筆。