ツキノ精神科パロ
- ¥ 1,500
2021/3/11 通販で先行販売 2022/9/18 ツキノフレンズ。16 2023/2/12 ツキノフレンズ。17 2024/5/3 スーパーツキノフレンズ。 2023/10/15 ツキノフレンズ。18 2024/2/11 ツキノフレンズ。19 で頒布しました。 残部わずかですが、在庫あれば次回は2024/5/5スーパーツキノフレンズ。で頒布予定です。 以下本文サンプル。 ほーりーが書いたプロセラパートからザックリ抜粋してきました。本当にザックリ。 支部/横読み想定で改行多め。 繋がってないので【】で補足しています。 【まず入院直後、涙くんはだいぶ弱ってます】 喉がピリピリして声が出ない。 「ヒュ、ッ、ゲッホゲホ、っ……う……」 息ができない、怖い、怖い、怖い、助けて! 身体がガタガタ震えているけど、おなかを紐で縛られているみたいで動けない。 「水無月さん、大丈夫、落ち着いてくださいね」 声をかけられて、頭側がゆっくりと上がっていく。身体を起こすと目眩がした。でも、少しだけ息ができるようになった。 そしてハッとした。 「や、……誰、いやっ……!」 ここはどこ、君はだれ? 僕なんでここにいるの?わからない、怖い。 でも、震えていたのはほんの少しの間だけ。 腕にチクッと痛みが走った途端に、身体がふわっと浮かぶような感覚がして、真っ暗になった。 【そして協力するグラビプロセラ】 「実はグラビ・プロセラ合同でカンファをすることになった。こっちからは師走駆と如月恋を、プロセラからは水無月涙を事例で出して共同して解決を試みたいというものだ。うちの葵は動物病院の家の出だから、猫の世話もできるだろう」 「じゃあ、葵と仕事ができるってことですか」 「そうだ」 わあ、と夜さんは嬉しそうに笑った。夜さんと葵さんは新卒同期でとても仲良しだ。女子力コンビと密かに呼ばれていて、夜勤の時一緒になると絶品の手作り料理を分けて貰える。何より2人が揃って笑っていると、なぜか周りにお花が見える。それくらい纏う空気が優しくて、波長も合うんだろう。 「カンファはとりあえず来週だ。日程は俺と海が空いていて出来るだけメンバーが揃ってる時に行う。郁も出来るだけ早く水無月さんのケースをまとめておいてくれ」 「わかりました!」 【音楽療法士の藤村衛さんも大活躍……(?) 】 「涙、驚いたよね。でも衛先生は怖い人じゃないから大丈夫だよ」 郁くんがそばに近づくと少し落ち着いたみたいで、郁くんの影からこちらを覗いてくる。 数秒の沈黙があって、一度深呼吸をした涙くんが聞こえるか聞こえないかぐらいの声で呟いた。 「……落ち……つかない音……がする」 ガーン!? 音楽療法士として数々の癒しサウンドを奏でてきたはずなのに……。あれ……でも思い返してみれば思い当たる節がありすぎて枚挙にいとまがない……! 「ニャー!」 「びくぅ!」 しかも猫さんにまで唸られる始末。とほほ……。 「びくっ、って口で言う人初めて見ました」 郁くんも困ったように苦笑している。思わず頭を抱えると、意外にも涙くんが口を開いた。 「……でも、不思議な……世界を旅してるみたいな楽しい音……」 【それぞれ病気を抱えながらも仲良くなる駆・恋・涙】 食べ切ったらきっといっくんは『すごいよ、涙!』と褒めてくれる。 「……わかった。いいよ。……でもいっくんには内緒ね?」 「もちろん!」 「三人の秘密か〜! ちょっとドキドキするな〜!」 駆は僕が残したピッチャーの水を自分のコップに注ぐとあっという間に全部飲みほした。 「駆さんはやっ!」 「すごい……」 駆は誇らしげに笑うとピッチャーを僕の目の前に戻した。 「俺食べ物をたくさん食べるのも好きだけどそれと同じくらい飲み物をたくさん飲むのが好きなんだ!」 【医者と患者の壁……許されない恋……】 「……あのね」 「うん?」 「退院したらいっくんには会えなくなっちゃうの? そうなったら僕、寂しいな」 だめだ。期待するな。家族と疎遠で寂しいクライエントが医者を保護者みたいに思う一種の錯覚だ。そう必死に自分に言い聞かせる。 「……病気が良くなったってことだから、俺は涙が退院したら嬉しいな!」 「……そっか」 少し寂しそうに俯いた涙に罪悪感が湧き上がってくる。ああ、失敗した。余計なことを考えずに「俺も涙が退院したら寂しいなあ」って言えば……言えればよかったのに。 【夜に暗い影が忍び寄って……】 着信は陽からだった。通話ボタンを押しながら、目の前を数段を数歩降りればいいやと踏み出す。 「っ!わっ……!」 足元が滑る感覚がして体勢が大きく崩れた。視界には何故か天井が映って、何かに捕まろうと伸ばした手は空気を切った。ふわっと浮いた体が、直後一気にのしかかってきた重力で潰れる。ドスっと鈍い音がして息が詰まって、ああ、落ちたんだな……とどこか他人事のように思った。 衝撃の割に骨が折れた感覚はなく、何か柔らかいものに乗り上げていて、それが温かく濡れているのがわかった。でもそれを確認する余力もないまま視界は真っ暗になってしまった。 「夜っ……!」 『これは、誤算だったな』 【郁の下した決断って……!?】 「ごめん、涙」 「え……?」 グラグラしていた足元が崩れてしまいそうな衝撃だった。いっくん、ごめん、ってどういうこと……? ◇ ◇ ◇ こんな感じでシリアスパートも多めですが、 ・:*+.ラストはちゃんとハッピーエンドです \(( °ω° ))/.:+