
―――あなたは、人の悪夢に興味はありますか? ある夜、悪夢にうなされた。大聖堂が僕の上に崩れ落ちてきたんだ。青やバラ色や黄色の石が降ってくるのが見えた。 (画家:クロード・モネ) ※本作品は筆者が実際に見た夢を出来うる限り忠実に書き起こしたものを小説という形式を取ってお届けする作品となります※ ~MENU~ <前菜> 水子の井戸 目覚めた私は目も手足も綿で縫い付けられ、大八車に乗せられ運ばれている。混濁する記憶の中、辿り着いた場所は老婆が番をしている枯れ井戸だった。そして、私は老婆に命令されて、枯れ井戸にもぐるーー恐ろしい真実が待ち構えているとも知らずに。 <パンorライス> ほくろ、下半身、黒い家> 私は阿呆で醜い妻を娶ったことを後悔していた。桜の品評会で私の家の桜が一番になれなかったことを悔しがる妻に、私は「人の死体を根元に植えると花が紅くなるそうだよ」と伝えると、その晩から村人がひとり、またひとりと消えていく。私は好いている男に抱かれる為に妻を罠に陥れた。しかし、その報いを受けることになるーー。 <デザート> 好吃大全 私は目覚めると「蜘蛛」になっていた。お釈迦様のいる極楽から、私は自分の命を奪った※犍陀多(芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に出て来る罪人の名前)と地獄で再び対峙することになりーー夢ならではの不条理と不明瞭さを極めた悪夢を描いた作品。 ➡読者の方から頂いた感想の一部 飴村行(暴力的でグロテスクな作風の作家)の「粘膜人間」に収められている「髑髏の幻覚」が好きな人に好いてもらえる感じの世界観の悪夢です。 ➡読了感が胸糞悪いです(笑) <新規書き下ろし> 苦情電話……携帯電話にかかって来た見ず知らずの相手からの文句の電話。最初は腑に落ちず、話していたもののーー後日、衝撃の事実が明らかになる。 ◎本作品は2024/12/1に開催された文学フリマ東京39にて、一部無料配布(一部有料で販売)した作品の三編を収録したもの(※新規書き下ろし小説を追加)したものになります。