坊さんと貧乏神と愉快な仲間たち 平安時代編
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あらすじ 平安京。 雅やかな貴族文化の裏で、怨霊と政争、陰陽の力が都を支配していた時代。 世界は「目に見えぬ運命の偏り」によって、静かに崩れ始めていた。 その歪みを察知したのが、 超人的な特殊能力を持ちながら、決して権力の中心には立たない異端の僧・玄導と、 不運をもたらす代わりに人間の覚悟を引き出す貧乏神・マーサルである。 二人が目をつけたのは、 下級貴族として生まれ、才能も志もありながら、 何ひとつ掴めずに都の片隅へと追いやられた青年・藤原継人。 彼は、歴史書には決して名を残さないが、 ひとつの「選択」によって世界の流れを大きく変えてしまう資質を秘めていた。 マーサルは継人から財と人脈を奪い、 玄導は彼に「運命の分岐を見る視点」を与える。 だが二人は決して答えを教えない。 与えられるのは、苦境と沈黙、そして選ぶ責任だけだった。 継人は記録係、使者、調停役として、 朝廷と陰陽師、貴族と民のあいだを行き来しながら、 小さな判断を積み重ねていく。 その一つひとつが、内乱、疫病、怨霊の連鎖をわずかずつ逸らしていくことに、 彼自身も気づかぬまま。 やがて、歴史に残るはずだった大きな惨禍は起こらず、 都は「何事もなかった時代」として語り継がれる。 だがその裏には、名を捨て、不運を引き受け、 誰にも知られぬ場所で世界を支えた青年の人生があった。 別れ際、玄導は静かに告げる。 「世界は、動いたことよりも、動かなかったことで救われる」 マーサルは笑う。 「次の時代でも、また同じ魂に会うやろ」 これは、 英雄でも権力者でもない一人の青年が、 超僧と貧乏神に導かれながら、 平安の世を裏側から動かした物語である。
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