上陸 第二号
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・一万~二万字ほどの短編小説と詩による、純文学アンソロジーです。 ・2021年春の文学フリマ東京で販売したものと同一になります。 ・A5判2段組み平綴じ、本文90ページ。 ・本文のサンプル画像は白地ですが、本文紙には淡クリーム色の「美弾紙ノヴェルズ」を使用しています。 収録作品一覧…… ・小説 『夢(猫)』(宮元 早百合) 『八月三日、広島』(直嶋 犀次) 『夢を見るように』(朝倉 千秋) 『死なない』(張 文經) ・詩 『あしさき』『かゆい』『いき』(張 文經) 『未来視病』(宮元 早百合)
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収録作品紹介
『夢(猫)』(宮元 早百合) 弁当屋の猫と恋人を奪い合う夢を見た。それが猫であることを知っていたのは私だけであり、恋人が何者であるかはついに分からなかったが、私と彼女は楽しく争った。しかし夢はすぐに終わり、現実は常に崩壊しつづけている。 『八月三日、広島』(直嶋 犀次) 3日後、今年も8月6日がやってくる。それは彼にとって30回目の誕生日でもある。人生に行き詰まった彼は、東京を離れ、その日生まれて初めて広島に降り立った。30年の年月を経て、原爆ドームが彼の前に現れる。 『夢を見るように』(朝倉 千秋) かつての恋人に呼び出され、四年ぶりにカフェを訪れる。彼女の選択、提案、迷いによって呼び起こされる、飼ったことのない猫の夢。個人経営の喫茶店は、今日も少しずつ数を減らしている。 『死なない』(張 文經) 「わたしは夕日を見てたんだ」「名良瀬はもう、死なない体なの?」「目を逸らしたから、私の勝ちね」「まじで? ノーベル賞じゃん」「僕はこういうことを全部忘れてた」「ねえ、芽吹」「いい死に方、思いついた?」