上陸 第三号
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・掌編~中編小説と詩による、純文学アンソロジーです。 ・2021年秋の文学フリマ東京で販売したものと同一になります。 ・A5判2段組み平綴じ、本文118ページ。 ・本文のサンプル画像は白地ですが、本文紙には淡クリーム色の「美弾紙ノヴェルズ」を使用しています。 収録作品一覧…… ・小説 『落雷』宮元 早百合 『Off - shore』直嶋 犀次 『ピアノマン』朝倉 千秋 『世界が終わらない日』張 文經 ・詩 『虹と影とそうでないもの(五篇)』張 文經
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収録作品紹介
・小説 『落雷』宮元 早百合 落雷に打たれ、大学中退自堕落系YouTuberとなった「俺」。異星からの侵略者を名乗るVtuber「パプリカ星人」との接近を経て、彼のなかに「俺」ならざる「俺」が育っていく。やがて彼は、救済か破滅かを、地球人たちにもたらすことになる。 『Off - shore』直嶋 犀次 東京の家を引き払ったわたしは、ある離島に向かう。海底に無数の石像を沈める計画を島で聞いたのを契機に、一週間のはずだった滞在は何となく延びていく。季節が夏に変わり始めた頃、わたしはついにダイビング資格まで取得し、石像たちを見に行くことになる。 『ピアノマン』朝倉 千秋 失業している間、僕はある部屋に通い詰めていた。グランドピアノが置かれたその部屋には、色々な人が気ままに出入りし、好き好きに酒を飲みつつ時折奏でられるピアノの音に耳を傾ける。いつしか僕と部屋の主、ピアノマンの間には不思議な絆が芽生え始めることになる。 『世界が終わらない日』張 文經 見捨てられた東京の街を、わたしは歩く。かつてわたしは死ぬことのできる体だった。かつてわたしと一緒に死んでくれるといった人がいた。そのどちらもいまわたしにはない。わたしは死ぬさだめにある木有と出会う。何も見つからないのに、わたしたちは何かを探して歩く。 ・詩 『虹と影とそうでないもの(五篇)』 張 文經 あの日 川に投げた石は小さな虹をつくっていた わたしもきみも見はしなかった 虹は小さいために まだあそこにある わたしたちを待ちながら みなもの光を引き止めている (本文より)