Re-ClaM 第6号
- Digital500 JPY

Re-ClaM 第6号はこれまでと装丁をがらりと変えてみました。 さて、今回の特集は「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」です。日本における「ライヴァルたち」の育ての親である戸川安宣氏のエッセイを巻頭にいただき、続いて「私の愛したライヴァルたち」として、日本が誇るホームズファンのビッグ2、北原尚彦氏・日暮雅通氏(お二人とも当然「ライヴァルたち」は大好き!)、そして北村薫氏に愛を語っていただきました。さらに、今「ライヴァルたち」を語るなら当然この方、という訳で平山雄一氏にご自分のお仕事についてお書きいただいています。ホームズと言えば映像関係も面白い!ということで、やや変則ですが、正統派からパロディまで、様々なホームズ映画についてのご解説で三橋曉氏にご出馬いただきました。ここまでで既に盛り沢山な内容ですが、今回は更に、<短編競訳>として「ライヴァルたち」短編の翻訳を三編、ご寄稿いただきました。いずれも翻訳がなかったのが意外なほどの佳作秀作で、ジャンルの豊饒さを感じさせてくれます。 今「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」を特集してこれ以上のものはなかなか作れないだろうと自負しています。寄稿者・関係者の皆様、ご協力感謝いたします。 連載&寄稿コーナーでは、やはり「ROMから始める古典道 第2回」が圧倒的にパワフル。本誌でも毎回ご寄稿いただいている、クラシックミステリ評論/翻訳の第一人者、小林晋氏のあまり知られていない初期~中期の活動についての書き下ろし回想録、なんと2万字。編集者も原稿をいただいた時にはぶっ飛びました。先日商業出版へのデビューを果たした渦巻栗氏によるブラックウッドの掌編や、グッドリッチのクイーン回想録も興味津々。そして、松坂健氏がその無限の書棚から見つけ出した紙物を紹介する新連載「気まぐれ連載・待乳庵通信」は、50年前に行われた海外ミステリに関する都筑道夫の講演の記録を書き起こし。クラシックミステリファンのみならず、都筑ファンにとっても極めて貴重な資料です。博覧強記の新保博久氏が評論という行為の在り方を問う「死火山に笞打つ」と併せて、ぜひご一読あれ。 ◆【特集】シャーロック・ホームズのライヴァルたちの帰還 創元推理文庫《シャーロック・ホームズのライヴァルたち》の成り立ち(戸川安宣) <私の愛したライヴァルたち> 思考機械を嗜好す(北原尚彦) 「ライヴァル」の条件を満たす者たち(日暮雅通) シャーロック・ホームズのライヴァル……かな?(北村薫) 「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」を読み、訳す理由(平山雄一) 映像から見る「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」(三橋曉) 「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」、その特徴と意義(三門優祐) <短編競訳> ベイジル・トムソン「ハノーヴァー・コートの殺人」(倉田徹訳) ジェレット・バージェス「なぜバーバンク夫人は逃げたのか」(平山雄一訳) メルヴィル・D・ポースト「岸辺の家」(北見弦訳) ◆連載&寄稿 Queen's Quorum Quest(第41回)(林克郎) A Letter from M.K.(第5回)(M.K.) 海外ミステリ最新事情(第7回)(小林晋) ROMから始める古典道(第2回) Revisit Old Mysteries 総目次(第2回)(三門優祐) アルジャナン・ブラックウッド「日本の文学的食前酒」(渦巻栗訳) ホームズ、ドイル関連案件四題(古書山たかし) 気まぐれ連載・待乳庵通信 第1回「1971年7月6日 都筑道夫先生講演録」(松坂健) 「死火山に笞打つ」(新保博久) 「原書レビューコーナー」(小林晋) 【物理版との相違点】 この電子版「Re-ClaM」第6号は、2021年5月、第32回文学フリマ東京にて頒布された「Re-ClaM」と内容が異なります。紙版に収録されていたジョゼフ・グッドリッチ著/三門優祐訳「オン・ザ・ロード・ウィズ・マンフレッド・B・リー 第2回」は、著作権処理の関係で本電子版には収録しておりません。あらかじめご容赦ください。