あらすじ： 東京都内で会社勤めをしている平凡なサラリーマンの磯崎藤一郎は、偶然に見つけたメイド喫茶を気に入ってその常連客になっていた。ところがひょんなきっかけからそこで働くメイドの紫乃子を自分の家に住まわせることになった。 紫乃子は藤一郎の家でメイドとして料理の腕を磨く一方で、歴史上のメイドの知識を得る機会を持つようになり、徐々に藤一郎への気持ちが変化していることに気が付く。一方、藤一郎の方も紫乃子のことが気になってくるが……。 みどころ：本作は極めてシンプルな、一人の男性と女性の恋模様を描くメイド小説です。ヒロイン紫乃子の「メイド」としての一面と一人の女性としての一面のコントラストに注目してください。一方で主人公藤一郎の紫乃子への気持ち、これがどこから始まってどのように変わっていくのかも気に掛けてください。現代劇である一方、あちこちにちりばめられている伝統的なヴィクトリア朝期メイドの知識と雰囲気も併せて味わっていただけるとよいのではないでしょうか。 A6（文庫サイズ）202ページ 表紙、口絵：羽霜ゆきさん