Slow Tracker
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ターゲットに指定したオブジェクト/ボーンを少し遅れて追跡するエンプティを追加するBlender Addonです。 トラッカーとなるエンプティにカメラを向けたり追従するアクセサリの親にしたり。 昔のBlenderにあった『Slow Parent』に似た機能ですが、ターゲットの過去の軌跡ではなくその移動平均のようなものをたどるのでスムーズな軌道になります。 トラッカーのアニメーションはドライバでの逐次更新ですが、キーフレームとしてベイクする機能もあります。 自分用遅延追従カメラのけんきゅうで作ったものです。
アップデート履歴
Blender 3.6.1はファイルロード時にドライバ関数が未定義になる問題があります。3.6.2以降を使ってください。 [2022-11-07: 1.1.0] Blender 3.3に対応（パネルの重さやステップサイズの範囲が0.0〜1.0に制限できなくなっていたのを修正） [2020-12-18: 1.0.0] 公開
動作環境
Blender 2.83以降で確認しています。 ベイクを行ったトラッカーはアドオンがインストールされていない環境でも動作します。
インストール
zipファイルを『プリファレンス > アドオン > インストール』から指定してインストール後に『Object: Slow Tracker』にチェックを付けます。
詳細
■ トラッカーオブジェクトの追加と設定 パネルは『View3D > Sidebar > Create Tab > Slow Tracker』に表示されます。(画像2枚目) ポーズモードのボーンまたはアーマチュアの入っていないオブジェクトを選択すると『追加』ボタンが表示されます。 『追加』ボタンをクリックすると、選択中のボーン/オブジェクトをターゲットとするトラッカーエンプティが追加されます。 ■ トラッカーの設定 追加時に3Dビューの左下に初期設定のパネルが開きます。 またトラッカーを選択したときに、Slow Trackerパネルに同じ設定内容が表示され、後からでも変更できます。 以下は各項目の説明です。 ■■ プリセット 追加時のパネルのみに表示されます。設定をセーブ・ロードできます。 ■■ 重さ Slow Trackerは物理演算ではありませんが、この設定値で慣性があるような動きに調節できます。動作のイメージに近い名前として『重さ』としました。 大きい値ほど動く方向を変えるのにフレーム数がかかります。例えばターゲットが動いている状態から急に止まったときにトラッカーが勢いで通り過ぎてから戻ってくるような動きになります。 ■■ ステップサイズ XYZ 1フレームの間にトラッカーをターゲットに近づける割合です。大きい値ほど少ないフレーム数でターゲットに到達します。 グローバルXYZに対する3つの設定値があります。例えばZを0にするとターゲットの上下の動きは追跡しなくなります。『▶』ボタンでXの値をY、Zにコピーできます。 ■■ オフセット XYZ ターゲットの位置を調節する設定です。この設定値の分だけ、トラッカーが目指す点がターゲットボーン/オブジェクトの実際の位置からずれます。 この設定値の調節はシーンの開始フレームで行って下さい。開始フレーム以外ではトラッカー位置は逐次更新されているので、変更した値が反映されてないことがあります。開始フレームでは初期位置に固定されます。 ■ アニメーションのベイク トラッカーはフレームごとに逐次更新されていますが、ベイクを行うとアニメーションをキーフレームとして記録して、どのフレームから再生しても同じ動きにできます。 ■■ ベイク ボタン 指定したフレーム範囲のアニメーションが新規アクションにベイクされ、逐次更新用ドライバがミュートになります。 ■■ ベイクを破棄 ボタン ベイクされたアクションが削除され、逐次更新用ドライバのミュート状態が解除されます。 ■ 使用例 ■■ カメラを向ける方法 カメラの『オブジェクトコンストレイントプロパティ』から『トラック』を追加します。『ターゲット』にトラッカーを指定して『トラック軸』を『-Z』、『上』を『Y』にします。 ■■ アクセサリやエフェクトの親にする方法 オブジェクト/ボーンコンストレイントの『位置コピー』を追加します。『ターゲット』にトラッカーを指定します。 ■■ Slow Trackerで頂点を追跡する方法 アドオンの範囲外ですが、以下の手順で可能です。 まず追跡したい頂点のみ1にした頂点グループを作成します。エンプティを追加し位置コピーコンストレイントで、『ターゲット』に追跡したい頂点を含むオブジェクト、『頂点グループ』に作成した頂点グループを指定します。 これで追加したエンプティが頂点にくっついて動くのでそのエンプティをターゲットにしたSlow Trackerを追加します。 ■■ 回転 Slow Trackerは回転には対応していません。回転を合わせたいターゲットがあれば回転コピーコンストレイントが使えるかもしれません。オフセット用のボーンを作るとオフセットも回転できると思います。
ライセンス
GPLv3