.Blend Anonymizer
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Blendファイルに含まれるパーソナルデータ(ファイルパスに含まれるユーザー名など)を消去するBlender Addonです。 インターネット活動用のPCユーザーを使っている場合は問題ありませんが、仕事用のPCで作業した場合などに公開したくない情報がBlendファイルに入ってしまうことがあり、Blendファイルの公開には不安があります。不安はあるけど公開はしたい。 昔からある問題でいくつかの議論がありますが、正規の方法では解決できず本体での対応もされないので自分で使っていた処理をアドオン化しました。 参考: https://blender.community/c/rightclickselect/W2bbbc/ https://blender.stackexchange.com/questions/8407/how-to-remove-personal-data-from-a-blend-file (2022/5 追記: 最新のBlender(2.93.9~, 3.1.2~)ではファイル保存周りが作り直されてユーザーのホームディレクトリやblendのフルパスを保存しなくなっているようです。ある程度気をつけていれば確認のみでもうパッチ適用は必要ないかもしれません。) 動作の概要として、ユーザーが禁止ワードを定義して、Blendファイル内に含まれる禁止ワードを同バイト長のxxxx...という文字列に置き換えます。オリジナルのBlendファイルは変更せずパーソナルデータを消去(マスク)したBlendファイルを出力します。圧縮されたBlendファイルにも対応しています。
アップデート履歴
[2021-12-04: 1.1.0] Blender 3.0のファイル圧縮形式(Zstandard)に対応 [2021-05-03: 1.0.0] 公開
動作環境
Blender 2.83,2.93,3.0で確認してます。 Blendファイルを公式なAPIを使用せず書き換えるので使用・検証等は使用者の責任で行ってください(GPLv3)。 将来的にも動作する保証はありません。 今のところBlender 3.0の場合でも出力ファイルの圧縮形式はgzipにしています。
インストール
zipファイルを『プリファレンス > アドオン > インストール』から指定してインストール後に『Import-Export: Blend Anonymizer』にチェックを付けます。 ■ パネルの表示場所 『プロパティ > 出力タブ > Blend Anonymizer』にあります(画像2枚目)。
詳細
■ 事前準備 このアドオンが行うのは公開したくない文字列を置換することだけです。有効なファイル名の一部を書き換えてしまったときはファイルは読み込めなくなります。 画像のパックや読み込み元のローカル化などは事前に行っておいてください。Blendファイルの保存時に『相対パスに変換』にチェックを付けると参照される外部ファイルはBlendファイルからの相対パスに変換されて保持され、ユーザー名などを含みにくくなります。 Blend Anonymizerの処理は、現在開いているBlendファイルの最後に保存された状態に適用されます。実行前にBlendファイルを保存しておいてください。 以下はパネルの各項目と動作の説明です。 ■ オリジナルファイルを調査 現在開いているBlendファイルに含まれるファイルパスっぽい文字列を表示します。問題のありそうなワードの確認に使います。 『更新』ボタンをクリックすると最後に保存したBlendから読み込みます。 この処理はBlendファイルのバイナリデータから可視化可能なバイト列のうちファイルパスっぽいもの選択して表示します。一般的ではない記号が入っている場合は見逃しがあることもあります。パッチの適用時はここに表示されないパターンも禁止ワードに一致すればすべて置換されます。 ファイルサイズが大きいと時間がかかります(物理キャッシュを含む300MBのファイルで30秒ほどでした)。大きいファイルでは無意味な文字列も大量に表示されます。リストの下を開くとキーワードで検索できます。 ■ 禁止ワード 公開したくない消去する文字列を登録します。『+』ボタンで新規追加、『-』ボタンで削除します。 このデータはプリファレンスに保持されています。プリファレンスを保存すると次回も登録済みデータが使用できます(『プリファレンス > アドオン > Blend Anonymizer > 設定』に同一の設定項目があります)。 禁止ワードの置換はバイト長が長い順に適用されます。例えば『Users\キリト』『キリト』のふたつのワードがあった場合、先に『Users\キリト』を『xxxxxxxxxxxxxxx』置換して、その後他に『キリト』という単独のワードがあれば『xxxxxxxxx』に置換します。 また『A』のような頻出する短い文字列や『DATA』のようなBlendファイル内で意味のあるワードを登録すると置換を行ったBlendファイルが壊れます。個人を識別できそうなユニークなワードのみ登録してください。 ■ 出力 出力ファイルを指定します。デフォルトでは『{オリジナルファイル名}_release_z.blend』になります。 ■ パッチ適用 禁止ワードを消去したBlendファイルを『出力』で指定したファイルに出力します。 ■ パッチ済みファイルを調査 『出力』で指定したファイルに含まれるファイルパスっぽい文字列を表示します。 パッチ適用後に意図した通りに消去できているか確認します。 ■ パッチ済みファイルの動作確認 パッチ適用後はパッチ済みファイルをBlenderで開いて正常に動作するか確認してください。 このとき上書き保存すると再度禁止ワードが入ってしまうので、確認だけで保存しないように注意してください。 ■ その他のパーソナルデータ Blenderはデフォルトではレンダリングした画像にもメタデータを埋め込みます。 『プロパティ > 出力タブ > メタデータ』の各項目のチェックを外すと画像へのメタデータの埋め込みを防げます。 チェックを外してからスタートアップファイルを上書きすると新規ファイルでもチェックが外れた状態になり、外し忘れを防げます。 ■ ああ!すでに事故ってる! 騒がず、こっそりファイルを置き換えて、その話題に触れないようにし、無かったことにしましょう。
ライセンス
GPLv3