企業活動(ビジネス)に利用される情報システムである業務システムについて、その分析と設計の手法を解説した同人誌です。本書は、(データ中心アプローチならぬ)コミュニケーション中心アプローチと称して、コミュニケーションをキーワードに業務システムの役割や機能、分析や設計の手法を捉え直します。あらゆる業務は、業務の依頼者と実行者の二者間取引のモデルで表すことができます。実行者が独力で業務を遂行できない場合、分割して第三者へ委託しますが、これも二者間取引で表されます。このような業務の委託・受託取引の連鎖が、組織の分業と調整を機能させています。業務システムは、この二者間取引の事実と進捗をデータとして管理することで、組織の分業と調整のコミュニケーションを支援しているのです。