正教会。 ローマ帝国、及び東ローマ帝国の国教として確立し、ロシアやバルカン半島などに広まった、日本ではあまり馴染みのないキリスト教の一派。 このユニークな宗教が実は日本にも伝わっており、今でも生きている事を皆様はご存知でしょうか。この文章は日本では馴染みのない正教会について紹介しつつ、日本の正教会に五年ほど通った私が、彼らの有り様についてまとめたものになります。 「伝来から150年経っているのに聖書の翻訳すら終わっていない時の止まった中央の組織」 「しかし一つ一つの教会における信徒生活において教会は生きている」 という立場から書いたおそらく世界唯一の論考です。 …消えてしまうかもしれない教会が、もしも一人でも多くの人々の記憶に残るなら。私にとってそれ以上の幸せはありません