公安解異課怪異譚『水の帰る家』
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雨の夜、二十三年前に失踪した少女が帰ってきた。 名前は高梨美加。 十七歳。 彼女は、すでに存在しない商店の名前を知っていた。 埋められた水路の位置を知っていた。 昔の知人の呼び名まで覚えていた。 けれど、利き手が違う。 身体の特徴が違う。 そして本人自身が、自分を「高梨美加」だとは言い切れない。 福井県の山際に残る、死者へ水を返す古い作法。 「水の上で、人の名前を呼んではいけない」 公安解異課の梅原志乃と、見習いの川村達也は、少女の正体を暴くためではなく、途切れてしまった土地の作法を調べ始める。 怪異を退治しない。 神を証明しない。 分からないものへ、都合のいい名前を付けない。 伝書鳩、古い地籍図、聞き取り、暗渠、残り湯。 人の暮らしのすぐ横に残っている「説明できないもの」を扱う、公安解異課の長編怪異小説。 『水の帰る家』 全48ページ/PDF形式
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