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サイズ:A5 形 体:コピー 頁 数:40頁(表紙込) 発行日:2024.6.30 JINE BRIDE FES2024内、竜王の翡翠玉にて発行。 以前出した『雪匂ふ、夜の』の続きとなります。 単独でも読めますが、出来れば続けて読んでいただけると幸い。 あちらは大倶利伽羅サイド、こちらが山姥切国広サイドとなります。 うちのまんばはのっけから極めている感が強い…。
風詠ふ、碧く
「お帰り。会議、すまなかったな」 「ただいま。別に、大した話も無かったから気にするな」 ああ、設備点検が臨時で入るから、今月後半、週末は出勤禁止だそうだ。やるなら他のとこでやれと、長谷部が言っていた。そう言いながら視線を見慣れない箱に向ける大倶利伽羅に、俺の私物だと山姥切が軽く頭を下げる。 「いや、そこは休めとかじゃない?普通。流石は長谷部」 「長谷部と書いて社畜と読ませるんだろ、知ってる」 冷蔵庫に麦茶を淹れに行く加州の背を見送り、とりあえず箱を自分のスペースに引き込もうと引っ張る山姥切を手伝いながら、大倶利伽羅は先程の言葉を思い返す。 「何処かに、行くのか?」 そういえば、暦の青い丸の説明も受けていない。それを眺めて居る時の、山姥切の憂い顔の訳も。 「あー、まあ、そうだな。うん」 迷う様に視線を彷徨わせて、唇を開きかけてまだ閉じて。そうやって考え込んでいる山姥切の様子をじっと見つめていると、横からこん、とグラスを置く音が響いた。 「麦茶、ぼちぼち無くなるけど次、どうしよっか。アイスコーヒーとかも出来るけどさ」 「がぶ飲みするなら麦茶一択だろ。何といっても単価が安い」 アイスコーヒーは飲みたい奴がその都度、作った方が良いんじゃないか。氷はあるし。
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