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サイズ:A5 形 体:コピー 頁 数:24頁(表紙込) 発行日:2022.12.11 伯仲と南泉、大倶利伽羅は添えるだけ。ただしくりんばパートの糖度は高め。何処かで大倶利伽羅サイドの補完がしたいです。 うちの長義は切国の事を偽物君とは呼ばないんだよ、という主張と、大俱利伽羅が伊達男。(見本にでてきてませんが) 注意! 【尭風舜雨】に再録済です。単品で欲しい人向けとなります。
月之夜寒
冴え冴えとした月が天頂近くに輝いている。 満月を超えて細っていく月は十七夜。新月にはまだ遠く、見上げれば眩しい白銀が目を射る。 「…本科の髪の様だな」 「切国、声に出てる、にゃ」 「誉めても何も出ないけどね」 まあ、悪い気はしないかな。そう笑う長義と、呆れたように首を振る南泉。きょとんと首を傾げる切国に、南泉は頭をガシガシと掻いてから、噛んで含める様に言葉を紡ぐ。 「こいつは結構ちょろいとこあるから、そういう言葉を吐くとすぐ浮かれる、にゃ」 面の皮が厚い上に格好つけだから無表情装ってるけど、櫻でバレ…っ。 「おや、猫殺しくんはお腹が空いているのかな?」 にゃーにゃー煩い口は、ちょうどポケットに入ってた乾パンで塞いであげようね。 銃弾も防げる強度を誇るという、黒鋼屋謹製の逸品だが、何、礼には及ばないよ。 実に良い笑顔で、南泉の顎を掴むと、長義は手早く包装を剥がした乾パンを放り込んでやる。 口の中の水分が急激に奪われ、せき込む南泉に切国はせめてもと、そっと水筒を差し出した。 「あ、えと。その、本科がすまない」 受け取った水筒を呷り、水分で少しふやかした乾パンをがりごりと嚙み砕いて飲み込む。 そのまま一気に残りの水を飲み干す仕草が不思議と粗野に見えないのは、一文字一家の教育の賜物なのだろうか。
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