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サイズ:A5 形 体:コピー 頁 数:24頁(表紙込) 発行日:2025.11.16 閃華の刻 火華2025にて発行の新刊です。 いつも通りくりんば本、小説オンリーです。今回は二人でお出かけしてる話にて、刀働きのシーンはありません。 全体的に甘めの雰囲気でしょうか。小さい子と絡む二人は可愛いんじゃないかなーという話です。 この二人は本好きの印象があるため、せっかくなので古本祭りに出かけて貰いました。
歩晩晴
提灯に灯りが燈る。赤と白の縞模様が蒼く沈んだ宵闇にふわりと浮かんでいる。 風はほとんどないから、時折り大きく揺れるのは、恐らくは支えの柱に誰かが触れる所為だろう。 「中に電球が入っているのか」 「そうみたいだな」 提灯の形とはいえ、入っているのは蠟燭ではない。瞬きも揺らぎもしない灯の基は、どうやら電球の様だった。火は紙と相性が悪いし、これだけの数の灯りだ。それも当然だろうなと思う。 「それでも、ガワは提灯なんだな」 「風情って奴なんじゃないか?」 良くわからんが、古い本達を照らすのに、剝き出しの電球よりは提灯の方が似つかわしい気がする。例え少々見づらくても、集い、蠢く人々が気にしている様子も無い事だし。 ぽつりぽつりと自分達と同じ、刀剣男士の気配がある。それから他の、付喪の気配も。 筆や硯、地図や書画、綴られた書物達。それと建物の陰に、とつくにのあやかしもちらりほらり。 「何といったか、ほら、短刀達が菓子を強奪していく南瓜祭も近いんだったか?」 「…………ハロウィン、だろうそれは」 物凄く溜めてから、それだけ呟くな。流石に傷つくぞ。南瓜祭には違いないだろうが。
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