『何人殺して今日まで生きた』
希美の顔面には大きな十字傷があった。
あまりに目立つ傷のため、希美が悩むのも無理はない。
しかし、希美はまだ知らない。
その傷は花のように開く口であることを。
希美は人間を食べる。
存在自体が人間社会の脅威である。
許されることも、認められることもない。
だが希美は生きている。
やがて特性を自覚して、それでもまだ生きている。
自分で自分を許せないまま、死にたくないと思っている。
そんな希美の人生を、希美の中から見届ける物語。
文庫サイズ・カラーカバー付き
236ページ(小説本文228ページ)