あなふたつ
- 支払いから発送までの日数:3日以内あんしんBOOTHパックで配送予定物販商品(自宅から発送)¥ 500

A6文庫サイズ カバー帯つき 116ページ(小説本文107ページ) 『久留子は針を、向けていただけ』 新人の居着かない職場、家に帰れば腑抜けた父。 橋野今日子は日常に閉塞感を抱きながら、 変化を望む気持ちすら見失っていた。 そこに現れた新人派遣社員の矢木久留子。 今日子は教育を任されながら、どうせすぐに辞めると思っていた。 むしろこんな職場、辞めた方がいいよ、とまで思っていた。 しかし、彼女のたったひとつの行動が変革をもたらした。 職場にとどまらず、多くのものを変えてしまった。 『私が気づかなかっただけで、久留子と出会ったときにはもう、知らず識らずと私は穴の向こうを見ていたのかもしれない。粘膜の壁にぽっかりと、いつあいたかも知れぬ穴から外を覗いて、出ようと思えばいつだって出られるくらいに身を乗り出して、しかしずっと内に留まったまま、見たことのない光景を見続けていた。私のそんな認識は、本当であるか。私には知る必要があった。誰の話でもない。私の話なのだ。それを私は確認したいのである』 久留子の完遂した呪詛は、いったい何をもたらしたのか。 久留子の行為は何が特別であったのか。 久留子の行為は、どこまで久留子のものであったか。 矢木久留子を通して見つめる自分、つまりはあなた自身の物語。
もっと見る