からだからから
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家庭でも疎まれて学校に行けば苛められる具子の心の拠り所はひとつ。 いつも帰りを待っていてくれる愛猫のキマ。 キマがいるから生きていられる。キマがいなかったら死んでもいい。 朽ちた公衆トイレにひとり括られた夜、具子は思う。 このまま私が死んでしまっては、あの家で誰がキマの面倒を見るのか。 自分の命が危険というなら、同時にキマの命も危険に晒している。 支え合う関係であったのか。それとも具子が一方的にキマに縋っていたのか。 しかし極限のなか、あの音が聞こえてきたのだった。 からからから からからから 外に出るはずのないキマが、助けに来てくれた! 具子とキマの結託『かぞくのから』 具子を苛めていた面々が見舞われる恐怖『ともだちのから』 全ての後始末『こわれたからから』 関係の糸は絡まって、繭と化して、もはや殻。 都合よく選んで切るなど、出来やしないから。 狭い世界の惨劇を多視点で描く血みどろ群像ホラー小説。
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