珍味ミシュランVol20 西成(釜ヶ崎/あいりん地区) 不可触地域 日雇い労働者/上級ホームレス飯 食べ歩きガイドブック
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行くなら今しかないドヤ街「西成」 若い人にドヤ街という言葉がどれだけ通じるでしょうか。おそらく、ドヤ街を徘徊する日雇い労働者や木賃宿(日雇い労働者向けのドミトリー、または3段ベッドなど。シーツは黄色や茶色い事が多い。500~1000円くらいで泊まれる簡易宿泊所)を見た事がある人も殆どいないでしょう。 ドヤ街では30年くらい前までは、まだまだ日雇い労働者/路上生活者も多く、薬物中毒者や、路上で酔っ払って倒れている人なども極普通に見ることができました。また、日雇いの人向けに、早朝から営業している底辺飲食店(強烈に汚く安い。寿司60円、もつ焼き70円、ラーメン100円、お好み焼き100円、たこ焼き200円など)が多く存在し、かなり風情がある地域としても有名でした。 しかし、現在では高度高齢化と日雇い案件の減少、ホームレスをNPOとヤクザが頑張って福祉マンションに収容した事で、日中の路上で彼らを見る事は、かなり減ったと思います。 また、同時に、日雇い労働者やホームレス向けの異様に風情のある飲食店も、年々減っていきました。おそらくあと10年で、味わい深い店は殆どなくなるでしょう。 同時に、夏場の異常気象や猛暑は路上生活者には非常に厳しく、路上に転がる高齢者の死体を複数回見たことがあります。ドヤ街は受難の時代なのです。 大阪のドヤ街「西成」は、おそらく日本最大のドヤ街であり、東京のドヤ街「山谷」とは、民族的な違いなのか、凶暴度が高く、日中でも街中にシャブ中とアル中が自転車で徘徊し、左翼扇動による暴動が頻繁起きて、警察署を襲撃するような街です(通称釜ヶ崎暴動:今まで24回の暴動が発生、最近では2008年) 。 ちなみに、今でも路上生活を続けている人たちは、警察またはヤクザから手配がかかっており、身元がバレてしまう生活保護が受けられない(親族に連絡がいったりするのも嫌がる)ケースか、ホームレス仲間から孤立する事を恐れているからと言われています。 おそらく、ほぼ間違いなく、西成も山谷も後10数年で、ホームレスとシャブ中/アル中は絶滅するでしょう。特に、近年は、猛暑で行き倒れになるホームレスも多く、急速に人口が減少しています。そして、今、ホームレスの代わりに、世界中から安い宿と食事を求めたバックパッカー(山谷は、浅草に近いという理由もある)が急増しており、遠からず、ドヤ街(ヤド街)は、全く違う客層の街になるでしょう。 本書では、ドヤの独特の食文化を楽しむためのガイドブックです。消えゆく文化が消える前に楽しみましょう。