珍味ミシュランVol10 インド亜大陸 聖地飯巡り
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日本人はインドに対して様々な誤解をしている。 日本人が一般的に、インドにもつイメージというのは、白亜のタージ・マハルとターバンを巻いた人がカレーばかり食べ、貧富の激しい国というイメージだろう。 これは、一面的には正しいが、基本的に間違っている。ターバンらしいターバンを巻いているのはシーク教徒であって、大多数のインド人(ヒンドゥー教徒)はターバンを巻いていないし、国民の大半がベジタリアンである為に、カレーは基本的に豆がメインで、ライスもナンもついて来ない場合も多く、東部地域ではプーリーと呼ばれる揚げパンが主流だ。また、チキンやマトンカレーを食べるのはヴェーダに影響をうけず、アヒンサー(不殺生)に縛られない少数派のシーク教とイスラム教徒くらいだ。 インドの代表的な建築物と言われるタージ・マハルはヒンドゥー教徒の建築物ではなく、イスラム教徒の建築物であり、この建築物を作ったのは、チンギス・ハーンの娘婿にあたるティムールのイスラム化された子孫達であり、それは、インド亜大陸の歴史のなかでは、ほんの一時期でしかなく、タージ・マハルをインドの代表的な建物と認識するのは大きな誤解を招きかねない。 そして、インドは貧富の差が激しい事でも知られるが、これはカースト制度により、社会階層が固定化されていると思われているが、実質は大きくちがう。 インドの支配階級(政治や軍事)には少数派のシーク教徒が大きく勢力をもっており、経済分野ではイスラム教徒やジャイナ教徒の商人の影響は見逃せないし、インドの大財閥であるタタ財閥はイラン系(アーリア系)ペルシャ人による財閥であり、インドの政治、軍事、経済においては、少数派宗教・民族が大多数のヒンドゥー教徒を支配、もしくは住み分けをしていると考えてよい。 このようなインドの実態を2014年3月にフィールドワークにより調査した結果をまとめたのが本書であり、実際のインドにおける各宗教の影響と生活スタイルの違いをまとめたものである。インドでのビジネスや旅行/留学などで役立てていただける事を期待する。