『神憑く子らよ(かみつくこらよ)』(CoC6版)SPLL:E197855
- ¥ 600
本作品は、シナリオWeb公開企画 『人類どもは禍ツ時に夢をみるか?』 の参加作品です。 イラスト:はらみねさん(https://twitter.com/trpg_kanshiinu) とっても素敵なイラストを描いていただきました。 __________ 想定プレイ時間:3~4時間 想定プレイ人数:2~3人 推 奨 技 能:〈人類学〉
▼導入
子らよ、子らよ、神憑く子らよ 御名なき神に傅く子らよ 巡れよ巡れ、優しき朝よ 人の身が滅びゆこうとも 巡れよ巡れ、気高き夜よ 双星の宿命と心得よ (トロベグに伝わる双子歌・出典不明) 生まれ、死に、また生まれる。何もかも偶然ではない。運命が定めたはじまりとおわりは、君の知らぬ間に巡り巡って円環となり、いずれ同じ春を呼び寄せる。 子らよ、子らよ、神憑く子らよ。 お前たちは何者なのか。
▼探索者について
探索者は、ある図書館に死蔵されていた論文「トロベグの儀礼‐離島送りに見る伝承的信仰」を読んだ人間である。文化人類学や宗教人類学などを専門とする者、あるいはこれらの分野に強い関心を持っている者であることが好ましい。そうであれば、他の一切を問わない。 トロベグでの二日間の実地調査には、イェルーという男が同行してくれることになっている。彼はトロベグの出身者で、探索者たちの行う調査・文化人類学の視点にも理解がある。彼との出会いや彼の出自に関しては、シナリオの導入において判明する。 また、お互いの母語を統一したり共通の言語技能を取得したりせずとも、探索者同士は円滑にコミュニケーションを取ることができる。これは、多様な探索者を受け入れるため、本シナリオ中に限り適応されるルールである。イェルーが通訳を買って出てくれるため、現地の住民との会話においても不自由することはない。
▼トロベグについて
このシナリオの舞台であるトロベグは、スカンディナヴィア半島北部をモデルに作成した架空の集落・地域である。あくまで架空の存在であるため、具体的な地理的条件や、他の都市との位置関係などは設定していない。セッションの進行に必要であると判断したならば、これらについて個別に設定してもらっても構わない。
▼文化人類学について
国立民族学博物館の名誉教授であった祖父江孝男は、『文化人類学入門』(1979, pp.2)において、文化人類学を「世界のさまざまな民族のもつ文化や社会について比較研究する学問」であると述べている。 ただ、民族史・宗教・神話・民謡など、文化人類学の中にも多種多様な研究分野が存在すること、世界各国でその研究分野の区分けや名称(社会人類学・民族学など)が異なっていることなどから、それらすべてを包括して簡潔に説明することは非常に難しい。 よって、あくまでこのシナリオにおいては、文化人類学を「現地に訪問したり滞在したりして調査を行うことで、その地の生活や習俗の在り方・他の地域との相違点を明らかにする学問」であると定義する。