[(1vs2)x4] enpty
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24P/B6/10ポイント/コピー本 【(ヒイロvsデュオ)×カトル】 ▼作品価格に 送料なども含まれていますv 本編設定ピースミリオン内で繰り広げられる、ヒイロさんとデュオさんのカトルをかけての闘い(笑) いや、まったくギャグとかコミカルとかじゃないですよ(笑)マジメにやっております。完全なるシリアスです。 昔にリクエスト戴きました『1vs2でデュオがヒイロに負けていないカトルを巡っての三角関係モノ』という感じのものを書き下ろしました。 ダーリンズが衝突するのは、カトル様が特に誰が好きだというような態度をとらないせいでしょうか。 ガンダムパイロットの仲間が大好きでしかたがないカトル様は罪作りなのか!?(笑) デュオさんの狡猾さも出ているかもしれません。 読んで戴いて妄想や想像のネタにでもなれば、さいわいですv 無口仏頂面vsおしゃべりおさげの図(笑) どちらがカトル様の御心をつかむのか。一歩もひかない2人のバチバチバトルです。
■■■ちょっと本文■■■
「これはこれは、お二人さんお揃いで」 「デュオー!」 カトルはデュオの顔を見ると、嬉しげに名を呼んだ。 「今は空時間なの?」 「ああ、カトルもか?」 「はい。でも、分析したいデータがあるので少し、その作業をして……」 「おい。カトルのそういうときの『少し』は、あてになんねーだろ! すぐ、根つめちまう。おまえは、この戦闘のブレインなんだから、ちゃんと」 「休め」 ヒイロも居たのだ。 そもそも、ヒイロとカトルの二人が会話をしているところに、ヒイロ、ガン無視でデュオが割り込んだような形で、会話に勝手に参加してきたのだった。カトルは違和感を感じてないようだ。これも、元来のデュオとの会話の多さのせいかもしれないが。 「なんでヒイロがオレの語尾、奪うんだよ!」 デュオはニヤっと笑った。 「ヤキモチ妬いちまったか」 カトルは意味がつかめないようで、くく、と、小首をかしげると、疑問を持った顔をしている。そんな中、デュオはカトルを急かした。 「まぁ、オレもヒイロと同じ意見だ。身体も頭もちゃんと休めておけよ」 「……はぃ」 「あんま、脳みそ、酷使すんなよ」 「はい。ご心配、ありがとうございます。デュオ」 カトルは、くすくすと笑いだしそうに、口許を隠すよう曲げた指の関節を充てた。その姿もカトルの意には反してしるのだろうが、可憐だった。こういう仕種にも、カトルの心が男前な部分が多くあると知っているだけに、デュオはその隔たりにドキンとしてしまう。 それを億尾にも出さずに、 「そいじゃー、カトルは部屋に入る」 「あぁあ、ヒイロ。ヒイロも、ありがとう」 言葉も待たず、その細身の背を押すようにデュオはカトルを割り当てられた部屋へと追いやってしまった。 「カトル、また、痩せたな……」 ただでさえ華奢なのに。 触れたデュオの胸も痛む。 それから、たびたびデュオはこの3ショットになると、ヒイロにあからさまな『気にくわねぇ』という、メッセージが付いてきそうな態度をとることが多くなっていった。 カトルに充てられた個室の前、 「じゃあ、ヒイロ、そうしてください」 カトルはいつものように優しく微笑んで、傍を離れようとしたが、 「ヒイロもちゃんと休んでるの?」 「……」 「ぼくの心配だけじゃダメなんだよ」 「……」 ふっと息を吐き、カトルは凛々しい態度でヒイロを見つめた。 「自分の身体のケアもちゃんとして、労わってください。きみの力はこの戦闘において、物凄い戦力になることはわかってるでしょ? もちろん、それだけじゃなくて、自分の身体を大切にして欲しいんだよ」 「俺のことはいい。カトルは眠れ」 言葉短だが、他者のことまで、めったに考えないヒイロが自然と口にするのは、これだけ淡泊な物言いでも、とても珍しいことなのだ。ヒイロは間違いなくカトルを特別視している。それはヒイロにすれば特殊な感情が動いているからなのだが、ヒイロはそれに気づいているのか、まるでヒイロがカトルの許へとを伸べようとした手は、虚しくなにもなかったように元へとかえった。 ヒイロは、キッと鋭い視線を後方に向けた。 「おい。そこに居るのはわかっている」 「おー、こりゃ、さすがにヒイロさん。巧く気配を消したんだけど、殺気は感じたか。殺気を放ってたら気配を消したことにならねーよな」 デュオは愉しそうにも見える様子で言うが、その瞳は朗らかに笑ってなどいなかった。 カトルには気づかせず、にやっと笑っていたと思ったら、語尾になるにつれ、厳しいダークな表情になっていたデュオ。 陽気な面を大きくイメージさせるが、彼はそれだけではない、ギャップを持っている。 「別にいいんだぜ。別れのベーゼでも贈れるもんなら贈ってもよ。まぁ、仏頂面の誰かさんにはムリだろうけど」 きょとんとカトルはしているが、ヒイロは忌々しそうにデュオを見た。 「デュオ―。あなたも休養時間だったんですか? それじゃあ、今ちょうどヒイロにも言っていたんですけど、そういう貴重な時間はできるだけ身体を休めてください。それに、戦闘で昂ぶった精神も鎮めてください。って、こればかり言ってますね、ぼく」 カトルは苦笑した。 「ほかには、気分転換にフリールームでチェスや読書もいいですよね。あそこに行けば、トロワや五飛に会えるかもさいれませんよ」 「おー、そうする。ありがとな、カトル」 軽くウインクして、そう言うと、ほんの軽く、ちゅっと微かな音を立て挨拶のキスをした。それは、カトルには愛情を。そして、ヒイロに見せつけるような瞳で。 「えぇっ?」 急にとは思ったが、眠る前や、別れる際に、ハグや、こういうフレンチキスをデュオには頬などにされることはよくあるので、カトルにとっては意外に日常的で、まったく大事などではないのだが。 「気にすんな、休め。ヒイロにもオレが言っとくから」 「あぁ、でも、デュオ」 「大丈夫だカトル。おまえも人に休め休めって人に言うなら、まず、見本でも見せろよ」 「もうぅ。はい! わかりました」 デュオに押されるように、カトルは自室に入り、静かに電子音のする扉を閉じた。