〔34〕Shine Light【光 射す】
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トロワ×カトル(ご協力ヒイロさん;笑) A5/108ページ/1段/オンデマンド本 本編シリアス小説、カトル視点で書きました「 Blindfold 」のアンサー本になります。 あの時、わからなかったトロワの部分がすべて保管補強されたものになります(笑) でも、こちらだけでも、意味は分かるような気もするのは前の本の内容を知っているからでしょうか(笑) 少し本文を貼りましたが、トロやんの愛に溢れています。トロやんの愛は川が高い場所から下流にくだるようにカトル、カトルへと向かう(笑)と、いうことで吟遊詩人のように語ります(笑) トロカトの両想いがはっきりわかる。ラブラブなトロカトが見たいなーとおっしゃる方にオススメします。 トロワのカトル語りが死ぬほど聞きたいなぁという方にぴったりです!(笑) でも、両想いですがせつなくもある、でも読後感の良い小説になっていると思います。 少し変わった形式の本になっております。 会話文の行間は妄想で保管という本です(笑)その保管のお手伝いにトロやんの地の文がなっているといいと思います。 このご時世にトロカトの新刊読みたい―という奇特な方に稀有な本ですので、是非、お手に取りください! 書いた奴たみらむゆきのたみら化成自身のサイト【いこいこう】でも、ご購入できますのでで、どちらでご購入になるか、ご検討いただくのもいいと思います。 どうぞ、よろしくお願いいたしますv トロワのカトルへの愛をシャワーのごとく受けたい方どうぞ!!v(笑) サイト「いこいこう」からは、送料抜きで販売いたしております。
一四話~・トレーラーハウス
むっすりとしたまま楽器を取り、セッションし部屋を出て行くまで、ずっとあの時カトルは、目を閉じていた。それは残響をいつまでも聴くように。 演奏の心地よさの夢見心地な楽園の中にいるような開放感のような清涼さを超えて、薄っすらと閉じた瞳から、にじむ涙が伝い落ちていくのを眼にしたとき、理屈ではなく、その至福の中にいるようにも見えたカトルの無言のままの姿。目に入った意外なカトルの存在に、心臓が握り潰されそうな痛みを感じた。 畏れ、歓喜。ないまぜになった感情が、渦となって襲い、答えなどわからなかった。ただ、それほどに強く心を揺さぶる、崇高なものを見たのだと、自分は見てしまったのだということは、本能が察していた。 涙が、カトルそのものが、まばゆいばかりにピュアで美しすぎた。声もなくただ余韻に浸るカトルが。 疑問がほどけていくのがわかる。 カトルがふわりと舞い降りて、凍てついた心を暖め、凍りついた観念という結び目に残る霜を取り払う。にこりと優しく聖母のように女神のように天使のように精霊のように微笑んで。優しく優しく微笑った。 耳元に微かな吐息のような言葉を紡ぎだした。 『ありがとう』 トロワ、ありがとう、と。 微笑みを乗せた暖かな吐息で耳孔をくすぐった。 こんなに、単純なことだったのか。こんなにも……。 いつも答えは示されていた。見なかったのは自分だ。眼を閉じ耳を塞ぎ。 今はその残酷なだけの、無碍な行為をしてしまった時のカトルの表情、仕種まで手に取るようにわかった。ギュッと眉頭を寄せ、泣き眉でこちらを見た後、こちらともう一度顔を合わせる前にまた、何もなかったように、けなげにも笑っていたのだ。ただただ穏やかに。何事もなかったかのように。自分はまったく何も感じていない。やるせなく切ない思いはしていない。驚いてもいない。傷ついても。という風に。 そして、涙が浮かんでいないか、無意識に瞬きの重みだけで推し量り。傷ついた顔などしたら、まるで、カトルが被害者のようだから、勝手に人を加害者にしてしまうような気持をさせてはけっしていけないと。むしろ、こちらの心を労わっていた。自分の今の言葉は不愉快ではなかったかと。こちらを思い遣り、詫びまで浮かべる。もし配慮もできぬ自分が何かしてしまっているのであれば、せめて空気を換えられるように、テンポを合わせようと笑って歩み寄りを見せてくれていた。いつも、いつも。傷つけられたのはカト ル、自分なのに。 そこにいつも添えられていたのは、心を砕いてほしいという祈りが生んだ、柔和な穏やかな表情、空気。 どこまでも繊細に相手のことを想い守る、自分が傷つくことを厭わぬ偽りではない身を切る覚悟。だから、どんな、暴力的な言葉や侮蔑のような眼を向け冷たくあしらおうと、カトルは信じることをやめようとはしなかった。信じることを諦めてはいけないと純粋に、願い事をかなえてほしいと祈るときと、それだけの代償のように実践を怠らないのと同じような気持ちを、持っていたのだろう。