[34]寒さだって楽しむ
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48P/B6/8ポイント/2段組/コピー本 【トロワ×カトル】 ▼作品価格に 送料なども含まれていますv 寒い日にイチャイチャしているだけの本です(笑) トロワとカトルだからこそ醸し出せる空気。内容。たみら化成らしい本と言えばそんな気がします。 読んでいただいたかたが、ほっこりなるような、気持ちのいい読後感になっているんじゃないかなぁと。 イチャイチャ甘々ラブラブな本なので、読み手様がきゅんvとするところがひとつでもあれば、嬉しいのですが。 よろしくお願いします(なんだコノしめ:笑)
■■ちょっと本文■■■
カトルはトロワと日向ぼっこしていた。 曇り空の日が続いていたから、お日様がにこやかに顔を出している今日のような日は、盛大にその恩恵に浴さねば。 できるだけ庭の草木を大パノラマで観られ、躰にもよく、心の健康にも、確かに気を付けなければならないだろう。 まだまだ寒いが、少し窓を開いただけでも気持ちがいい。優しく、穏やかな陽光を部屋へと招き入れてくれる。こういうときの、見たときの解放感がとても好きだった。 カトルがこの部屋を好きな理由は、そんなわけで。カーテンを全開にして、窓硝子を通した日光を室内に取り入れ、部屋の中央にあるソファでふたり、うつらうつらとまどろんでいるのだ。 薄い青をひいた寒空に浮かんでいる太陽は、空の彩(いろ)そのものに溶け込んで、発光していることさえ意識させない。 辺りを万遍なく照らす大きな力は、視界の外の外までも光の中にすっぽりと収めているから、それが、当たり前のようになって「とても、すンごいんだ!」ってことさえ感じさせないのだろうか。 そんな姿はスマートだけれど、ひけらかされることがない静かな頑張りは、あっさりと流されて。寒いところの太陽を見ていると、“少し、報われないせつなさ”があると思う。 狭い視界の中で、くっきりとくまなく照らされた部分と、そうではない部分が示されていたら、逆に「すごく、すごい!」と、陽光のありがたさを、強く印象付けることができるような気がするのだが。 もっとも、そんなことを太陽氏が望んでいるとも思えないから、これは余計なアドバイスだろう。きっと……。 以上。これはカトルの主張である。が、 「そんな話もしていた」 トロワならこう言う。 「そんな話もしていた……と思う」 カトルならこう言う。 目をキョロキョロさせながら、カトルにすれば少し難しい顔で……。 記憶のずれはどのようにしておきたのかというと。会話が途切れ、 ( 黙った……) と、トロワが思い、カトルの顔をのぞきこんだとき、カトルは年齢に不釣り合いな、あどけない面差しをして、睡魔にさらわれてしまった後だった。 トンネルに入る寸前の記憶は そこから既に照明が絞りこまれつつあったように 夢現のあやふやさ。そうこれは、カトルが口をつぐむ少し前の会話だった。 窓枠の中に収まっている太陽はと云えば、そんな不毛な話をトロワに振っていたカトルのことも、やっぱりという感じで、暖めてくれていた。