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この物語に興味を持ってくださり、ありがとうございます。 【本作は】 荒廃した世界の中、 聳え立ち続ける「塔」にまつわる、 全8話の短編小説です。 舞台は、文明の終わり、荒廃してしまった世界。 風が砂を運び、鳥が枝を落とし、動物たちが忘れられた意志のように塔を積み上げていく。 誰の手によるのでもない、誰かの記憶のようにそびえる「塔」。 それは、人の歴史を超えて、ただそこにあり続ける存在です。 本作では、塔が自然と交わる幾つかの瞬間を通して、 「文明とは何か」「自然と共にあるとはどういうことか」といった本質的な問いに触れていきます。 自然、災厄、動物、人類、そしてそれらの記憶を継ぐ者―― それぞれの視点が、塔という沈黙の語り手を通じて、静かに語られていきます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 本作で描いたポイント ▷ 歴史の外に存在する「普遍性」 ▶ 生きる、存在する、ことの難しさ。その意味。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー ・静謐で詩的な世界観に魅力を感じる方 ・神話や寓話のような構造に惹かれる方 ・自然と人間の関係性を深く見つめ直したい方 そんなあなたに、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。 廃れた世界に立ち尽くす塔の陰で、 あなた自身の「在り方」に耳を澄ませてみてください。 ▽ これからもたくさんの読みやすい短編集を本にしてお届けします! 新作の通知のため、ぜひ BOOTHのフォローをして 応援よろしくお願いします! また、割引キャンペーンやプレゼント企画の告知などもしますので、 SNSのフォローもよろしくお願いします! Ⅹ(旧Twitter):@say6novel 著者:セーイ6
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更にもう一話ぶん! noteかPDFで試し読み出来ます! note↓ https://note.com/say6novel/n/ned28d470a386 ------------------------------ 『はじまりの塔』 何もかもが終わりを迎えた後の世界だった。 空は色を失い、灰が舞うように霞んでいた。 風は止めどなく吹き続け、砂埃ばかり運んでは、全てを平たくすべく世界の骨組みを削っていた。 大地はひび割れ、川は枯れ、光は鈍く、音は渇いた。 何も残っていなかった そんな廃れた世界の果て、ひとつの「塔」があった。 否、塔になりつつある“もの”があった。 それは新たな、はじまりの鼓動。 始めは、ただの岩だった。 それは大地の呻くような地鳴りか、空から降り落ちた残骸か、はたまた山の拍動を起こした噴火であったか。 ひとつの大きな岩塊が、地の裂け目から突き出るようにして、そこへ現れた。 それが起こりと成れば、周囲に風が巻き、塵が溜まり、枯れ木の枝が絡まり、鳥が羽を休めては小石を落としていった。虫や、小さな動物たちが集い、巣を作る。草や毛を運び、時に溜まった雨水が岩肌を濡らした。 誰の意図でもなかった ただ、風の気まぐれと、偶然と、自然と、時間だけが、それらを“積み上げていった”。 瓦礫の破片が重なり、砂の層が沈み込み、枝と泥が編まれるように固まっていく。 何年、何十年、何百年。途方もない時間があった。 風の流れが変わろうと、陽射しの向きが変わろうとも、運ばれるものの数は尽きず、やがてそれはひとつの形になった。 「塔」だった 不恰好な、いつ崩れるやもしれぬ「塔」だった。 しかし、そこへ確かに “塔”が聳(そび)えていた。 ただそこに立ち尽くすように居る、塔。 鳥たちはその天辺(てっぺん)に巣を作り、 獣たちはその陰で眠った。 風に晒され、砂に削られ、ときおり稲妻が落ちることもあったが、塔はそこに在り、まるで音もなくいくつもの節目が過ぎていった。 名もなき塔。 登る者も居らず、誰も知ることのない塔。 その塔は“世界を眺め”ている。 過去の荒廃、現在の流転、未来の幽冥。 それらが常々と層となり、重なりゆく今だ。 やがて塔は、高く積み上がる 風を裂き、大地を覆う影を落とすほど高くなった。 鳥が止まる。獣が休む。雨が溜まり、雷鳴が轟く。やがて小さな芽が吹き、土を割り伸びてゆく。 塔は語らない。 塔は拒まない。 塔はただ、そこに“在る”。 世界は再び、始まりつつあった。 ------------------------------ ここまで読んでいただきありがとうございます。 他にも多数の試し読みをご用意しております! 少しでも気に入った作品あれば、続きのご購入をご検討くださると幸いです! 今後とも応援よろしくお願いいたします。 https://note.com/say6novel/n/ne2726146a0e1
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