neverland
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1/28 一つ屋根の下4 発行 (今の所、今後のイベント参加の予定はありません) neverland 文庫サイズ/354P ブレイブ、はるゆづ、あしゅこれ pixiv掲載のBハロシリーズに大幅に加筆修正したものと書下ろしがいくつか。 プラス、2017年10月のスパーク12にて発行の、炭酸さん(user/4450084)と初音さん(user/33956)のBハロ合同誌『MEMENTO MORI』にゲスト寄稿させていただいた話も入れさせていただきました。 あんしんBOOTHパック(ネコポス)での発送になります。
本文サンプル
存在さえ知られていない屋敷は堅牢で美しく、ひどく古めかしい。その古めかしい外観に似つかわしいマントルピースのある部屋の、重い扉が音もなく開いた。明かりも点けていない薄暗い部屋の中で、人影がくるりと振り返る。 「あれー、けんけんおかえり!早かったね」 「なんだ悠太、いたんだ…」 手にしていたステッキをソファへ放るように置いた愛染は、彼らしくもなく乱暴にそこへ腰掛ける。 疲れているな、と阿修が笑みを崩さないままゆっくりと瞬けば、きっちりとセットされた前髪を撫でるように軽く掻き上げた愛染が深くため息を吐いた。笑みを深めた阿修は腕を組んで、重い天鵞絨のカーテンへ寄りかかる。ちょうど腰の位置にある窓枠は、窓から出来るだけ遠ざかるかのように分厚く、頑丈である。 「なあに、そんなに疲れちゃって」 けんけんらしくなーい、と嘯いた阿修を、愛染は横目でちらりと睨みつける。ひょいと小さく竦めただけの肩を返事にしたのだが、どうやら阿修には伝わったようで、彼は更に笑みを深めた。嵐の前の不吉な空模様の色をした夕焼けの瞳は、『食事』をしたばかりらしく美しく澄んで凪いでいる。にやにやと細められたそれから、愛染はうんざりと目を逸らした。 「美味しい子がいなかったの?」 「最近の子はどうもね…昔より見てくれは好みに合うんだけどな」 「けんけんは理想高すぎ。あんまり選り好みしてるとその内餓死しちゃうよー」 「それはそれでいいよ…無理して美味しくないもの食べてまで生きていたくない」 「わーお、さっすが純血は言うこと違ーう!」 ひゅう、と囃し立てるように口笛まで吹いてみせた阿修に、もちろん全て冗談だと判ってはいても、いかんせん今の愛染には軽口を返してやるだけの元気はない。
