中臣氏によって歴史の一線から貶められた忌部氏の逆襲を描く”IF小説” 主要登場人物 • 斎部広成（いんべ の ひろなり）：主人公。『古語拾遺』の撰者。祭祀工学（=神器製作・幣帛・祝詞・建築・装束の総合知）を体系化して政治構想に転化する。 • 桓武天皇：遷都の帝王。広成の“制度設計”に興味を示す。 • 坂上田村麻呂：征夷大将軍。実務派の武人。広成の現実志向を評価。 • 最澄：天台宗の開祖。祭祀と仏法の相互補完を広成と論じる。 • 空海：真言宗の開祖。言霊と梵字の結節点で広成と通じる。 • 中臣（藤原）種継／内麻呂／葛野麻呂／冬嗣／良房：体制側の要人。のちに“かつての名門”として周縁へ。 • 猿女（さるめ）氏の巫女・阿礼：芸能と鎮魂の継承者。広成の同盟者。 • 世界観（改変点の核） • 「神名帳」の主筆を中臣から斎部へ。社格・封税・人事の裁量が忌部側に集中。 • “摂関”は“斎関（さいかん）”へ：斎部五摂家（後述）が持ち回りで朝政を統べる。 • 五摂家（ごせっけ）ならぬ「忌部五摂家（ごさいけ）」 o 天玉家（あまたま）：総攬（そうらん）。祭文・祝詞の筆頭家。 o 斎宮家（さいく）：斎王・斎宮制度と宮廷造営を統括。 o 鏡作家（かがみづくり）：工匠・検非違使の監察も兼ねる“照覧”の家。 o 玉作家（たまつくり）：宝玉・勲章・刀装の掌。証印制度を牛耳る。 o 麻績家（おみ）：衣冠礼法と物流（麻・絹・紙）を押さえる。 • 江戸：幕府は斎奉行を置き、五摂家が寺社・勘定・町奉行の上位で横断統制。 • 明治：神祇省は“斎省”へ改称。五摂家は公爵を独占、華族序列を再定義。 • 現代：忌部財閥＝斎総連。文化財、インフラ、教育を握る巨大複合体。