花札
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この本に興味をもってくださりありがとうございます! 【本作は】 ↓ “花札”をテーマにした短編集です 幼い頃に遊んだ記憶のある花札。 古き良き記憶を想起するようなショートショートを11篇用意しました。 遊び心のある、落語のような調子で読み進められます! ーーーーーーーーーーーーーーーーー ▷華やかな江戸の街語り ▶肩の力が抜けるような小噺 を感じられるような作品をお届けいたします! ーーーーーーーーーーーーーーーーー ①和風なショートショート ②懐古を感じられる物語 ③実家で祖父母と遊ぶような雰囲気 をお楽しみいただけると思います! 一話完結で読み進めやすく、寝る前にもオススメです! たまの息抜きに、昔懐かしい花札遊びに勤しむような読書をお楽しみください^^ ▽ これからもたくさんの読みやすい短編集を本にしてお届けします! 新作の通知のため、ぜひ BOOTHのフォローをして 応援よろしくお願いします! また、割引キャンペーンやプレゼント企画の告知などもしますので、 SNSのフォローもよろしくお願いします! Ⅹ(旧Twitter):@say6novel 著者:セーイ6
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更にもう一話ぶん! noteかPDFで試し読み出来ます! note↓ https://note.com/say6novel/n/nab804d353e84 ------------------------------ 第一話「カス」 ある村に十二人の男たちがいたとな。 貧しい村で、それぞれの男たちは財産となるものをほとんど持っていなかった。 男たちは冬を越すために、自分達の財産をかき集め、それを隣の村へ売りに行くことにした。村のため、祈る思いだった。 隣の村へ向かうのに、十二人で待ち合わせたが、二人の男がやってこなかった。 しかし、男たちは村の仲間を責めたりはしない。仕方なく十人で隣の村へ向かい始めた。 道中、持ち寄ったものを確かめ合うことにすると、みなカスのようなものばかりしか持ち寄ることが出来ていなかったのだ。 例えば、 一人目の男は鶴(つる)もとまらない松(まつ)を。 二人目は、鶯(うぐいす)も鳴いたことのない梅(うめ)を。 三人目は、幕(まく)の似合わない姿の桜(さくら)を。 四人目は、不如帰(ほととぎす)に構われぬ藤(ふじ)を。 五人目は、杜若(かきつばた)にしか見えぬ菖蒲(あやめ)を。 六人目は、蝶(ちょう)の舞わぬ牡丹(ぼたん)を。 七人目は、猪(いのしし)の寄り付かぬ萩(はぎ)を。 八人目は、雁(かり)にかられぬ芒(すすき)を。 九人目は、盃(さかずき)のすすまぬ菊(きく)を。 十人目は、鹿(しか)の現れぬ紅葉(もみじ)を。 男たちもみな、カスほどの価値しかないものと分かっておったようで。 それでもいやはや仕方ないと、隣の村に着きますれば、買い取って貰いに行くのでした。 すると、男たちの事情を知ってか知らずか店主に足元を見られること。 カスなぞ十(とお)集まりて、やっとこれくらい。と、たった一文(いちもん)ころりと転がされるばかり。 これじゃあ冬が越せぬと男たち。そこへ一人遅れてやってきたのが、仲間の男。そいつは風呂敷を広げ、萎れた柳(やなぎ)を取り出した。 燕(つばめ)も蛙(かわず)も見向きもしない柳、これまた一級のカスに違いない。 しかしまぁ、店主も勢いに負けたのか、もう一文ころりと転がす。これで帰っておくんな、ということだろう。 そこへきたのが遅れたもう一人の男。只の桐(きり)を、まるで鳳凰(ほうおう)が描かれているかのように、嬉しそうに並べる。これもまた、カス。 あんまり嬉しそうなもので、調子の抜けちまった店主。ついにもう一文、全部で三文ころりと転がし、男たちにくれてやる。もうこれ以上はたまらないと、ぴしゃり、閉店。 さて、三文手にした男たち。 村への帰路、十二人で大喜び。 誰かが言った。三十人で三文のところ、俺たち十二人で三文だと。儲けた儲けたと。 カスも集まれば一文、更に集まればもう一文と嬉しくもなりましょうが、本質や如何に。 さて、果たして冬は越せるのでしょうか。 おあとがよろしいようで ------------------------------ ここまで読んでいただきありがとうございます。 よければ続きの試し読みや、ご購入をご検討ください!
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